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海の帝王とワシリーサ・プレムードラヤ : ウィキペディア日本語版
竜王と賢女ワシリーサ[りゅうおうとけんじょわしりーさ]
竜王と賢女ワシリーサ』(りゅうおうとけんじょワシリーサ。、〔にて確認した英題。〕〔にて確認した英題。〕)は、ロシア民話である。AT番号は313〔『ロシア民話集 下』364頁(注)。〕。
アファナーシェフによる『』に類話も含めると8編が収録されている〔(219番から226番)。
== あらすじ ==

ある王が狩りの最中にを見つけて狩ろうとしたが、タカは王に助命を請うた。王は3度狙った後に鷲の願いを聞き入れて殺さないことにした。鷲は王に3年間飼われた後、解放が決まると王を伴って家族の元へ戻った。そして飼育してもらった礼として2つの小箱を王に渡し、帰国の船も用意した。王は帰路で立ち寄った島で、鷲との約束を破って小箱の1つを開けたところ、多数の家畜が飛び出してきた。その時海から現れた不思議な男が、「王の家にある物で王の知らない物を貰う」という条件で、家畜をまた小箱の中に片付けてくれた。帰国した王は、留守中に王子が誕生していたと知り、王子をあの男に渡さなければならないと悟って悲しんだ。しかし2つの小箱からは家畜の他に緑豊かな庭園も現れ、これらを喜んだ王は男との約束を忘れてしまった。月日が流れ、あの不思議な男、竜王 (ru) が王の前に現れて約束の履行を求めた。王は成長した王子らに事の次第を打ち明け、王子を海辺に送り届けた。
旅を始めた王子は、途中で出会ったヤガーばあさんに事の一部始終を話した。王子は、ヤガーばあさんの助言に従い、12羽の鷺が変身した乙女のうちの1人の衣類を隠した。衣類がないために鷺に戻れなくなった乙女ワシリーサが「父の竜王の元にあなたが来たときに、私が役に立つから」と懇願するのを聞き入れ、王子は彼女に衣類を返した。また、これも助言に従い、旅の途中で会った「食いしん坊」「大酒のみ」「寒の太郎」の3人を供にした。竜王の宮殿に到着した王子に対し、竜王は、1日目には水晶の橋を、2日目には庭園を造るよう命じたが、ワシリーサが魔力を用いて1晩で完成させて王子を助けた。竜王は、王子が難題をこなした礼に12人の娘の1人を妻に与えると告げたが、そっくりな娘達の中から同じ娘を3度言い当て、もし間違えたら死刑にすると言った。その条件を知ったワシリーサが自分を見分ける方法を王子に教えたため、王子はワシリーサを妻にすることができた。
結婚を祝う席や入浴の際も、竜王が王子に無理難題を振ってきたが、供の「食いしん坊」「大酒のみ」「寒の太郎」が王子を助けた。ワシリーサは王子を伴って父の元から逃げ出し、父の追っ手からも魔法を用いて逃れた。そして、自ら追ってきた竜王の前に蜜の川を用意したところ、竜王は蜜を全部飲み干そうとした挙げ句に腹が破れて死んだ。ワシリーサは、自分の事を王子の家族に話してもらうために王子を帰宅させた。宮殿に帰った王子は、ワシリーサの言いつけを忘れて自分の妹に挨拶のキスをしたため、ワシリーサを忘れてしまった。
ワシリーサは王子がまた戻ってくるのを3日間待ち続けていたが、4日目にとうとう都に出向いた。そして、「王子と他国の王女との婚礼にあたり、国民はパイピローグ)を持参して2人に祝辞を述べよ」という御触れが出ていると知り、自分もパイを作って宮殿の祝いの席に持参した。ワシリーサが作ったパイがテーブルの上で切られると、中からは彼女が入れた2羽のが現れた。雄鳩が雌鳩に「君がくわえているそのチーズ凝乳)をおくれ」と言うと、雌鳩が「嫌です。あげたら私の事を忘れるでしょう。ワシリーサの事を忘れたように」と答えた。この言葉を聞いた王子は、宮殿に来ているワシリーサこそが妻だったと思い出した。その後王子はワシリーサと共に仲良く暮らしたという〔「竜王と賢女ワシリーサ」『ロシア民話集 下』136-153頁。〕〔「海の帝王とワシリーサ・プレムードラヤ」『ロシアの民話 2』366-381頁。219番にあたる。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「竜王と賢女ワシリーサ」の詳細全文を読む



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