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海水浴場(かいすいよくじょう)とは、砂浜で遊び等を行ったりするための海岸である。遠浅の砂浜で、比較的波が少ない浜辺が適している。 琵琶湖など、湖沼等に位置するものは水泳場と呼ばれる。 == 歴史 == それなりの療養施設を設けた「海水浴場」が設置されるのは、産業革命により中産階級(ブルジョワ)が社会をリードする18世紀中頃のイギリスからだった。 記録によるヨーロッパ最古の海水浴場は、1740年、イングランド東部、北海沿岸のスカーバラだったといわれる。 次いで1754年、イギリスの医師リチャード・ラッセルが、イングランド南部ドーバー海峡に面するブライトンに海水療法療養所を開設し、大変有名になった。 ドーバー海峡の対岸、ディエップにフランス最古の海水浴場が開設されたのは1767年で、ベルギー、オランダがこれに続く。 1793年にはフリードリッヒ・フランツⅠ世がバルト海沿岸のハイリゲンダムにドイツ最古の海水浴場を設立した。19世紀には地中海に展開する。 日本における海水浴の習慣は、1211年鎌倉時代初期に現在の愛知県大野海岸で「塩浴」が行われていたのが記録上の起源といわれる。その根拠は、鴨長明が訪れ、「生魚の御あへもきよし酒もよし大野のゆあみ日数かさねむ」と詠んでいるからだという。 1858年、江戸幕府は諸外国と修好通商条約締結した。この条約の中で外国人の行動範囲を横浜の場合は六郷川以西、開港場から10里以内に制限していた。横浜居留の外国人の行動を制限する居留地が撤廃されるのは、1899年7月17日のことである。江戸時代から観光地だった鎌倉・江の島はこの範囲に含まれていたため、明治維新以来、来遊する外国人も多く見られた。彼らの中には美しい海を見て海水浴を試みる者もあった。 最古の記録は、フランスの法律家ジョルジュ・ブスケの著した『日本見聞記Ⅰ』である。それによると、1872年8月に「カタシエ(片瀬)で夕食前に海水浴をする。翌日我々は馬に乗って6時に藤沢に着く」とある。 続いて1876年夏、フランスの東洋学者エミール・ギメが片瀬の海で海水浴をしたが、電気クラゲに刺されて岸に戻ったという。 米国の生物学者エドワード・モース博士はシャミセンガイ研究のために江の島に臨海実験場を開設したが、1877年8月11日の日記に「同行の帝国大学の外山教授や松村助手らと江の島の海で海水に浴す」とある。 しかし、この地の海水浴場開設に大きな影響を与えたのは医師エルヴィン・フォン・ベルツである。1879年7月6日の『ベルツの日記』によれば、「海水浴場適地を探索するため横浜から馬車で江の島に来訪」し、翌年7月13日の日記には「鍋島侯爵の子ども2人を片瀬へ海水浴に送る」と出てくる。 また、1883年、暁星学校の教職員(アルフォンス・ヘンリック神父らフランス人、米国人、日本人)が片瀬で海水浴したという。 横浜市金沢区の富岡八幡宮の前の浜は明治維新のころ横浜の山手・本牧に居留した外国人の娯楽の場所となった。ローマ字で著名な眼科医ヘボン博士 (Dr. James Curtis Hepburn) が、富岡海岸の水質がよいことから海水浴を奨励した。1881年ころに「海水浴場神奈川縣廰」という標識が建てられたという。しかしこれは外国人専用だったらしい。 以後、海水浴場が各地に開設されるようになる。「日本最古の海水浴場」を標榜するところを編年順に列記する。 * 1880年 - 沙美海岸(岡山県倉敷市玉島)に医師=坂田侍園の薦めで、海水浴による療養施設の為の仮小屋が建設される。 * 1881年 * 兵庫県須磨海岸にオランダ人医師W・ハイデンによって海水浴場が設置される。 * 医師だった後藤新平が愛知県常滑市大野海岸 千鳥ヶ浜に海水浴場を開く。 * 1882年 * 沙美海岸に本格的な海浜病院を建て、村営海水浴場開設。 * 10月9日 - 三重県伊勢市二見町の立石浜、オランダ人の医師ポンペからオランダ医学を学んだ初代軍医総監の松本順によって日本最古の海水浴場として国に指定。 * 1884年 - 三重県二見の旧二見館前に海水浴場が移設され、二見館に海水温浴設備が設けられる。 * 1885年 * 内務省初代衛生局長の長与専齋のすすめにより鎌倉由比ヶ浜の三橋旅館が海水浴場を開設したことを東京横浜毎日新聞で広告。 * 軍医総監の松本順が、健康法の一つとして神奈川県の大磯海岸照ヶ崎海岸を海水浴場に認定。当時は「湯治」のように、ただ海水につかったりあがったりを繰り返すだけだったようだ。しかし、まもなくレジャーとして発展し、1898年に発表された『鐵道唱歌』には、「海水浴に名を得たる、大磯見えて波涼し」の歌詞が見られる。 *:東京近辺では、ほかに神奈川県橘樹郡田島村(いまの川崎市の南東端)が、海水浴場として知られていた。 1987年制定の総合保養地域整備法以来、開発が盛んに行われたが、一方この開発による影響も課題がある。それは例えば偏った開発(他地域からの資本によりホテル、ゴルフ場ばかりが建つ)、地域の活性化に結びついていない、環境破壊などである 〔このように開発によって人工的に形成された高級リゾートについて、プライベートビーチなど「自己完結型」で「周辺地域との関わりはほとんどない」ことを問題視している。-〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「海水浴場」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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