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海洋温度差発電 : ウィキペディア日本語版
海洋温度差発電[かいようおんどさはつでん]

海洋温度差発電(かいようおんどさはつでん)またはOTEC () は海洋表層の温水と深海の冷水の温度差を利用して発電を行う仕組みである。この仕組みは深海(水深1000m程)から冷水を海洋表層へ汲み上げ、海洋表層の温水との温度差を利用してエネルギーを取り出す。
== 概要 ==

海洋温度差発電(OTEC)は緯度20度までの熱帯において深海と表層の水の間に存在する温度差を利用して熱機関を動かすことによって発電する。基本的な原理としては、アンモニアなど沸点の低い媒体を表層の暖かい温水によって気化し、気化した気体によって発電タービンを回転させ電力を得る。気化した媒体は深層の冷たい冷水により液化させた後、再度表層の温水による気化装置に供給される。装置の稼動には表層、深層から海水を取り込むポンプを稼動させるための電力を要するが、発電によって得られる電力の一部によってこれを賄う。
海洋は絶えず太陽によって熱せられ、地球の70%近くを覆っているのに対し、深層の水は比較的低温(10℃以下)であり、この温度の違いは人間が使うために開発される可能性を秘めた膨大な量の太陽エネルギーを含んでいる。もしもこの抽出を大規模に経済的に行えば、人口がもたらすエネルギー問題を解決できる可能性がある。水力などの他の海洋エネルギーの選択肢と比べて1桁か2桁多くの総エネルギーを利用できるが、温度差が小さいとエネルギーの抽出は困難で高価なものになる。従って典型的なOTECシステムの全体的効率は1%から3%しかない。
熱機関の概念は工学においてはごく一般的なもので、人類が利用するほぼすべてのエネルギーは何らかの形式で熱機関を利用する。熱機関では高温貯留層(コンテナなど)と低温貯留層の間に機器を置く必要がある。熱が一方から他方に流れるので、エンジンはある程度の熱を仕事の形で抽出する。この原理を用いて熱からエネルギーを取り出すのが蒸気タービン内燃機関である。逆に、エネルギーを使うことで自然の熱の流れに逆らい熱の差を作り出すのが冷蔵庫である。OTECは燃料を燃やして得る熱エネルギーを使うのではなく、太陽熱で温められた海洋で生じる熱の差を使ってエネルギーを引き出す。
OTECでは太陽によって温められた海洋表面の水と深海(1000mまで)の冷たい水の温度差を利用して熱機関を動作させる。赤道から20度以内の海洋であれば、表層と深海で20℃の温度差がある。熱帯沿岸地域、およそ南回帰線北回帰線の間はこれらの条件を満たしている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「海洋温度差発電」の詳細全文を読む



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