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海草 : ウィキペディア日本語版
海草[かいそう]

海草(かいそう、)は、水草の一種で、海域に生育する種子植物のこと。
藻類である「海藻」と同音異義語であるため、しばしば両者の混同を招く場合があり、区別の観点から海草を「うみくさ」と呼ぶこともある。

== 特徴 ==
;生育環境
海域の中でも比較的浅い沿岸域の内湾干潟汽水域礁池(イノー)などに生育する。多くの種は乾燥に弱く干潮でも海水に浸っている潮下帯以下を好むが、コアマモのように乾燥に強く潮間帯に生育する種もいる。
;形態
海草類は全て単子葉植物であり、の区別がある。茎(根茎)は地下茎として匍匐する種が多く、葉を水中にのばすは砂泥の中にしっかりと根を広げる。従って、大部分の種は砂泥底域に生育するが、スガモやエビアマモなどは岩礁域に生育するものもおり、これらはを岩盤の窪みや割れ目に入り込ませ、地下茎を会場に発達させ固着する〔矢部徹、生嶋功 「海草の生態」『朝日百科 植物の世界119 植物の生物地理10 水圏の植生・極限の植生』岩槻邦男ら監修、朝日新聞社、1996年、298-299頁。〕。葉はウミショウブやボウバアマモのように細長いタイプと、ウミヒルモ属のような小判型のタイプがある。基本的には光合成を行う器官であるが、アマモは海水中の栄養塩を葉で取り込むことがわかっている〔飯泉仁(1989)「海草類の栄養塩類の取り込みについて」 月刊海洋、21(6); 317-321pp.〕。気孔は退化している。
;生態・生活史
海草類は多年草である。種子植物でありを咲かせ種子により増える。また、地下茎を分枝させて増える栄養繁殖を行う種もある。アマモやリュウキュウスガモなどは種子繁殖と栄養繁殖の両方で増えるが、熱帯性のリュウキュウアマモやベニアマモ、ボウバアマモなどは結実が悪く、ほとんどが栄養繁殖により増える。開花は、熱帯性のリュウキュウスガモで9-1月(10月が最盛期)〔海響館ホームページ リュウキュウスガモの花〕、ボウバアマモが7-9月、ウミショウブが6-9月〔コップ水の日記 ウミショウブの花〕、温帯性のコアマモが1-6月〔海草図鑑 コアマモ コアマモの花・種子など〕に観察されている〔当真武 「琉球列島の海草‐I. 種類と分布」 『沖縄生物学会誌』37号、1999年、75-92頁。〕。結実はリュウキュウスガモで7、8月を除く周年、ウミショウブが8-11月及び1月に観察されている〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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