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浸透圧(しんとうあつ、英語:osmotic pressure)は物理化学の用語である。半透膜を挟んで液面の高さが同じ、溶媒のみの純溶媒と溶液がある時、純溶媒から溶液へ溶媒が浸透するが、溶液側に圧を加えると浸透が阻止される。この圧を溶液の浸透圧という(岩波理化学辞典・同生物学辞典等)。浸透圧は希薄溶液中において、物質の種類に依存しない法則が成立するという束一的性質の一種である。 == 概要 == 半透膜、すなわち溶媒(小さな分子)だけを透す膜で隔てられた2室に溶媒・溶質が同じで濃度の異なる2つの溶液があると、濃度の低い(溶質分子の密度が相対的に低い)溶液から濃度の高い(溶質分子の密度が相対的に高い)溶液に移動する溶媒分子の数は逆向きのものより多くなる。これは、低濃度溶液中の溶媒分子の方が、高濃度溶液中の溶媒分子よりも、溶媒自身の密度が高く、拡散の原理に従って、溶媒分子が[高]→[低]へと移動することによっている。結果として、溶媒は溶質濃度の高い溶液の方へ移動し、平衡状態に達するまで続く。 浸透圧 π は次の式で表される(ファントホッフ(van't Hoff)の式)。 : ''M'' はモル濃度 / dm³ 、''R'' は気体定数 · dm³ / K · mol 、''T'' は 温度 である。モル濃度は容積モル濃度を用いる〔磯直道,上松敬禧,真下清,和井内徹 『基礎物理化学』 東京教学社,1997年〕。上式は理想気体の状態方程式と同じ形をしている。また、電解質溶液の浸透圧は非電解質に対しての式がそのままでは適用できないので、を導入して補正する。 溶質のモル濃度は溶液中の溶質の粒子のものであるため、電解質の水溶液の浸透圧は式量によるモル濃度ではなく生じたイオンのモル濃度から求める。前記の方法の他、同じ浸透圧をもつ非電離質水溶液のモル濃度で浸透圧を示すオスモル濃度が用いられることもある。溶液は純溶媒に比べ気化しにくく、沸点上昇を示すため、半透膜を介さず純溶媒と溶液を溶媒蒸気で満たした管でつないでも浸透と同様に溶液の液面が上昇する。このため、沸点上昇によって浸透圧を示すこともある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「浸透圧」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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