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温室植物[おんしつしょくぶつ]
温室植物(おんしつしょくぶつ hothouse plants〔工藤(2000)p.34〕)とは、温室で栽培される植物を指すこともあるが、高山植物の中の一部のものを指す言葉である。葉などが薄くなったものが花の周囲を覆って、温室のようになっているものを指す。 == 概要 == 高山は生物にとって過酷な環境である。特に低温は生物の活動にとって大きな妨げになる。植物にとっては、自分の活動についてもそうであるが、花粉媒介を動物に依存する場合、動物の活動にも不利であるから、より困難を抱えることになる。これに対する回答の一つが、温室植物である。 これは、葉などが薄くなって広がり、花や芽の周囲を覆うように発達し、それらの周りにある程度光の入る、しかも外とは切り離された空間を作ることになる。これはまさに温室であり、内部の温度は外界より高くなる。これにより重要な器官の発達を助け、また花粉媒介者の活動をも保証する。高山植物にはごく背の低いものが多い中で、温室植物は往々にして周囲よりもはるかに背が高くなるのもそのためと考えられている。 温室植物の利点として、紫外線からの植物体の保護をあげる考えもある。高山では低地よりはるかに紫外線の照射量が多く、葉によって芽や花を覆うことでそれを避けているというのである。 なお、同一の問題に対する全くの別解に、全身を長い毛で覆う、という方法があり、これはセーター植物と言われる。いずれも当年性の葉が成長点や花の保護に預かる点で共通し、またこの両者はいずれもネパールヒマラヤの高山域に独特に見られる〔工藤(2000)p.34-35〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「温室植物」の詳細全文を読む
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