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温泉藻[おんせんそう]
温泉藻(おんせんそう、)とは、温泉の源泉付近や流路、浴槽などに棲息する藻類のことである。一般的な生物であれば生育に支障をきたす50-80 ℃の環境に適応した極限環境微生物である。 == 特徴 ==
温泉藻は基本的に単細胞生物である。主に原核生物である藍藻と真核生物の紅藻、珪藻から構成され、古細菌などと共に温泉特有の生態系を構築している〔井上 p89-90〕。糸状群体を形成して肉眼的な大きさになる藻類はあるが、海藻のような大型の藻体を構成するものはない。浮遊性のものは植物プランクトンとして、水流中や水蒸気の曝露がある気相に繁茂する種は付着生物として生活する。主要な温泉藻である藍藻や紅藻はクロロフィル ''a'' とフィコシアニンを持ち青緑色に見えるため、温泉藻が繁殖した場所は青緑色を呈する場合が多い。 温泉藻は好熱菌と同様、熱安定性に優れたタンパク質を持つ。特に強酸性の泉質を好む温泉藻では、泉中に溶解しているアルミニウムなどの金属イオンへの耐性も備える。また温泉性の藍藻の特徴として、紫外線に対する防御色素であるスキトネミン(scytonemin)をあまり産生しないということが挙げられる〔Graham and Wilcox p121〕。これは、高温湿潤な環境下ではDNA修復を速やかに行えるからであると考えられている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「温泉藻」の詳細全文を読む
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