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湯桶読み : ウィキペディア日本語版
湯桶読み[ゆとうよみ]

湯桶読み(ゆとうよみ)は、日本語における熟語の変則的な読み方の一つ。漢字2字の熟語の上の字をとして、下の字をとして読む「湯桶」(ゆトウ)のような熟語の読みの総称である〔「湯桶読み」- 広辞苑第六版〕。原則として規範的な読み方ではないとされるが、現代の日本語においては、漢語和語が結合した混種語も日常語として深く浸透しており、慣用になっているものも少なくない。
これに対して、上の字が音読みで下の字が訓読みのものを重箱読みという〔「重箱読み」- 広辞苑第六版〕。
== 概説 ==
例えば、朝晩(あさバン)、雨具(あまグ)、などがある。意外なところでは豚肉(ぶたニク)、鳥肉(とりニク)などが挙げられる。これらの語は、純然たる漢語ではなく、和語漢語との混種語なので、読み方もそうなるのは当然といえる。和語の部分を漢字で表記したにすぎない。
これまでに発見されている最古の湯桶読みは、『万葉集』から間接的に読み取ることができる「手師(てシ)」(習字の先生の意)だと言われている〔『お言葉ですが… 4 広辞苑の神話』 文藝春秋〈文春文庫〉〕。
なお、湯桶とは、湯や酒を注ぐための容器のことである。現代日本では懐石料理蕎麦屋くらいでしか使われないが、近代以前には一般的なものであった。
== 湯桶読みの例 ==
該当項目内に関連記述があるものは、''cf.'' にて特記する。
* 朝晩(あさバン)
* 雨具(あまグ)
* 甘食(あまショク)
* 粗熱(あらネツ)
* 粗利(あらリ)
* 薄化粧(うすゲショウ)
* 大騒動(おおソウドウ)
* 大舞台(おおブタイ)
* 遅番(おそバン)
* 親機、子機(おやキ、こキ)
* 返り点(かえりテン)
* 株券(かぶケン)
* 雷竜(かみなりリュウ) ''cf.'' アパトサウルス#漢訳名
* 切土(きりド)、盛土(もりド)
* 小兵(こヒョウ)
* 白菊(しらギク)
* 敷金(しきキン)
* 高台(たかダイ)
* 薪能(たきぎノウ)
* 血肉(ちニク)
* 手数(てスウ)
* 手帳(てチョウ)
* 手榴弾(てリュウダン) ''cf.'' 関連記述あり。
* 手料理(てリョウリ)
* 鶏肉(とりニク)
* 野宿(のジュク)
* 豚肉(ぶたニク)
* 太字(ふとジ)、細字(ほそジ)
* 冬景色(ふゆゲシキ)、冬化粧(ふゆゲショウ)
* 見本(みホン)
* 目線(めセン)
* 闇市場(やみシジョウ)
* 雪景色(ゆきゲシキ)、雪化粧(ゆきゲショウ)
* 湯茶(ゆチャ)
* 夕刊(ゆうカン)
また本来は音読みをする単語であるが、同じ分野で用いる同音異義語や似た音の言葉が存在するため、あえて慣用で湯桶読みを行う事例もある。以下が代表例である。
* 買春(かいシュン)〔日本語なんでも相談室 〕……売春(バイシュン)と識別。
* 引数(ひきスウ)〔「引数」 - コトバンク 〕……因数(インスウ)と識別。
* 市立(いちリツ)〔「市立」 - コトバンク 〕、私立(わたくしリツ)〔「私立」 - コトバンク
* 化学(ばけガク)〔「化学」 - コトバンク 〕……科学(カガク)と識別。
* 首長(くびチョウ)〔「首長」 - コトバンク 〕……市長(シチョウ)、首相(シュショウ)、主張(シュチョウ)などと識別。
以下は当て字であることがはっきりしているものや、漢字の選ばれ方に語義との脈絡が乏しく、当て字の性格が強いものの例。当て字の結果たまたま湯桶読みに見える形になったケースである。
* 合図(あいズ)
* 時計(とケイ)〔「時計」 - 語源由来辞典

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「湯桶読み」の詳細全文を読む



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