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源氏供養[げんじくよう] 源氏供養(げんじくよう)とは、源氏物語およびその作者紫式部を供養するという、日本の中世に見られた文化である。 また、それを題材にした「源氏供養」という題の作品が、能を始め、いくつかある。それらについても解説する。 == 概要 == 源氏供養の由来は、仏教において、架空の物語を作ることは、「嘘をついてはいけない」という五戒の1つ「不妄語戒」に反する、とする当時の思想である。紫式部が源氏物語という人々を惑わす絵空事を描いたため、死後地獄に落ちてしまった、とする伝承をもとに、紫式部を供養しようとした行動である。 (源氏)物語に耽溺した事を反省し、代わって仏道にいそしむ姿は1060年ころ著された更級日記の中にすでに現れているが、源氏供養の具体的な行為としては『宝物集』などに現れており、治承(1177年から1180年)・文治(1185年から1189年)のころに始まったとされる。「源氏見ざる歌詠みは遺恨の事なり」と述べて歌作りにおいて源氏物語を重要視した藤原俊成の妻であり、また源氏物語の証本「青表紙本」を作り上げた藤原定家の母である美福門院加賀によって行われた記録が残されるなど〔三田村雅子「源氏供養の場」『記憶の中の源氏物語』新潮社、2008年(平成20年)12月、pp. 37-39。 ISBN 978-4103110118 〕、中世には実際に何度か行われている。全般には実態を伝える史料は限られている〔「源氏供養と法会の復元」『源氏物語と江戸文化 可視化される雅俗』森話社、2008年5月、pp. 193-197。 ISBN-13: 978-4916087850 〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「源氏供養」の詳細全文を読む
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