翻訳と辞書 |
源氏物語のおこり[げんじものがたりのおこり]
『源氏物語のおこり』(げんじものがたりのおこり)は、中世的な伝承に彩られた形で『源氏物語』が成立した事情を説明した文書である。 == 概要 == 『源氏物語のおこり』は、『源氏物語古系図』(為氏本、鶴見大学図書館蔵古系図など)、『源氏物語』の注釈書(『河海抄』、『源氏秘義抄』など)、『源氏物語』の梗概書(『源氏大鏡』、『源氏大綱』、『源氏抄』など)、その他無名草子、古本説話集、別本紫式部日記といった源氏物語について触れられるさまざまな文書の一部として、あるいは独立した一つの文書として存在する。源氏物語が仏に導きによって書かれた物語である。あるいは源氏物語が仏典の裏に書かれた物語であるとするのは、源氏物語のような物語を仏教の教えの一つである「妄語」(嘘をついてはいけない)に反するものであり、源氏物語を罪深い書であるとしてその写本の裏に仏典を書き付けて供養した「源氏供養」の影響ではないかとの指摘がある。 源氏物語成立の事情を伝えてきたとされるこの『源氏物語のおこり』も、近世以降の主として国学者達の研究によって事実関係の矛盾〔もし紫式部が安和の変の時点で源高明と親しかったのだとしたら娘の大弐三位を50歳を超えて生んだことになるなど。〕が指摘され、そのまま真実ではないと考えられるようになった〔松田武夫「源氏物語のおこり考」山岸徳平先生をたたへる会編『山岸徳平先生頌寿 中古文学論考』有精堂出版、1972年12月、pp.. 181-189。 ISBN 978-4-6403-0540-4 〕、しかしながら鎌倉時代の注釈書「光源氏物語本事」には「大斎院選子内親王へまいらせるる本」なる写本が存在したことが記されているなど、源氏物語が選子内親王からの要請に基づいて執筆されたとする部分については何らかの事実を反映しているのではないかとする見方もある〔寺本直彦「源氏物語起筆伝説について1 -大斎院要請説-」『源氏物語受容史論考 続編』風間書房、1984年(昭和59年)1月、pp.. 569-588。〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「源氏物語のおこり」の詳細全文を読む
スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース |
Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.
|
|