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源氏物語礼讃歌 : ウィキペディア日本語版
源氏物語礼讃歌[げんじものがたりらいさんか]

源氏物語礼讃歌」(げんじものがたりらいさんか)とは、与謝野晶子による源氏物語の各帖を詠み込んだ54首からなる和歌の連作である。
== 概要 ==
「源氏物語礼讃歌」とは、与謝野晶子による源氏物語の各帖の情景を詠み込んだ54首(一部例外あり)からなる和歌の連作である。「源氏物語の各帖を詠み込んだ和歌」としては各帖の巻名をその中に詠み込んだ「源氏物語巻名歌」と呼ばれるものが古くから多くの人々によって作られて来たが、与謝野晶子のこの作品は巻名を含んでいる和歌もいくつか含まれてあるものの、多くの和歌は巻名を含んでいない〔西田禎元「『源氏物語』と与謝野晶子 「源氏物語礼讃」歌をめぐって」『日本語日本文学』第9号、創価大学、1999年(平成11年)3月、pp. 1-17。 〕〔西田禎元「『源氏物語』と与謝野晶子(II) 「源氏物語礼讃」歌をめぐって」『日本語日本文学』第10号、創価大学、2000年(平成12年)3月、pp. 33-47。 〕。
源氏物語の影響が認められる歌を多数作った与謝野晶子が、生前に源氏物語を主題としてまとめたものとしては唯一の連作である。1924年(大正13年)5月刊行の与謝野晶子の第19番目の歌集『流星の道』(新潮社刊行)の冒頭に「絵巻のために 源氏物語」として収められているが、1938年(昭和13年)10月から1939年(昭和14年)9月金尾文淵堂から出版された与謝野晶子の新新訳源氏物語にも、各帖の冒頭に本作が付されている。
このような印刷物として残されたもののほかに「一点もの」として屏風・色紙・短冊などに揮毫されたものもいくつか残されている。それらの内容は大体において同じながらすこしずつ異なっており、本作は長年にわたってくり返し推敲を加えられていた「成長・発展していく作品」であったと見られる〔伊井春樹『与謝野晶子の源氏物語礼讃歌』p. 185。 〕。
2つ(関東大震災のために公表されることなく失われたものを含めると3つ)の源氏物語の現代語訳、源氏物語や紫式部について考察したさまざまな論考、晶子の生前には公表されることの無かった「梗概源氏物語」などと並んで源氏物語に関係する与謝野晶子の業績の一つとして挙げられる〔市川千尋「与謝野晶子と源氏物語 -その業績と“過去に遊ぶ”晶子-」今井卓爾ほか編集『源氏物語講座 9 近代の享受と海外との交流』勉誠社、1992年(平成4年)1月、pp. 44-55。 ISBN 4-585-02020-9 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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