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準双線型形式 : ウィキペディア日本語版
半双線型形式[はんそうせんけいけいしき]
数学の特に線型代数学における 上の半双線型形式(はんそうせんけいけいしき、; 準双線型形式〔。〕)とは、写像 で一方の引数に関して線型かつ他方の引数に関してとなるようなものを言う。名称は「1 と 1/2」を意味するラテン語の ''sesqui-'' に由来する。これと対照して、双線型形式は両引数に関して線型であることを意味するが、特に専ら複素数体上の空間を扱うような多くの文献において、半双線型形式の意味で「双線型形式」と呼ぶものがある。
動機付けとなる例は複素ベクトル空間上の内積で、これは双線型ではないがその代わり半双線型である。後述の幾何学的動機付けの節も参照。
== 定義と慣習 ==
何れの引数に関して線型とするかの慣習には異なる流儀が存在するが、本項では第一引数は反線型(つまり共軛線型)で、第二引数に関して線型であるものとする。これは物理学(の、本質的にはどこでもだが、もとは量子力学におけるポール・ディラックブラケット記法)で用いられる規約である。これと反対にするほうが数学ではふつう。
具体的に、写像 が半双線型であるとは、
:\begin
&\phi(x + y, z + w) = \phi(x, z) + \phi(x, w) + \phi(y, z) + \phi(y, w)\\
&\phi(a x, b y) = \bar a b\,\phi(x,y)\end
が任意の および に関して成立するときに言う。
複素ベクトル空間 の を考えれば、半双線型写像を複素双線型写像 と見ることもできる。ここでテンソル積の普遍性を用いれば、これらは複素線型写像 との間に一対一対応を持つ。
また、 を固定して考えるとき、半双線型形式 に対して写像 は 上の線型汎函数(つまり双対空間 の元)であり、同様に写像 は 上のになる。
上の任意の半双線型形式 が与えられたとき、その共軛転置
:\psi(w,z) = \overline
を考えることにより、新たな半双線型形式を得ることができる。一般には、 と は異なるが、両者が一致するとき はエルミート的 () であると言う。あるいは一方が他方の符号を変えたものとなるならば は歪エルミート的 () であると言う。任意の半双線型形式はエルミート形式歪エルミート形式との和に書くことができる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「半双線型形式」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Sesquilinear form 」があります。



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