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漢文[かんぶん]
漢文(かんぶん)とは、古代中国の文語体の文章のこと。または近代中国人・日本人・ベトナム人によって書かれる古典的な文章語のうち、漢字を用いて中国語の文法で書かれたものをいう〔吉川幸次郎『漢文の話』(筑摩書房、新版1971年(初版1962年))p. 37〕。 == 概説 ==
=== 定義と範囲 === 中国語の文章は文言と白話に大別されるが、漢文とは文章語の文言のことであり、白話文や日本語化された漢字文などは漢文とは呼ばない。通常、日本における漢文とは、訓読という法則ある方法で日本語に訳して読む場合のことを指し、訓読で適用し得る文言のみを対象とする。もし強いて白話文を訓読するとたいへん奇妙な日本語になるため、白話文はその対象にならない。白話文は直接口語訳するのがよく、より原文の語気に近い訳となる。 現存する白話の文献としては唐以後の禅家の語録(『碧巌録』など)が最初であり、つづいて宋代の儒家の語録、元代の演劇の脚本、明代以降の白話小説が現れる。20世紀初めまで中国における文章は、その白話が5%、文言が95%という比率であったが、現在では逆に白話が95%、文言が5%となっている。これは1910年代に行われた白話運動(胡適による理論と魯迅による実践)という変革の結果であり、白話文が近代文学の文体となっている〔吉川幸次郎『漢文の話』(筑摩書房、新版1971年(初版1962年))pp. 37, 217–226〕。
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Classical Chinese 」があります。
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