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(Sinoxenic, SX) すなわち、漢語系語彙とは、漢字文化から大きな影響を受けた語彙体系の総称である。単に漢語と呼ぶこともあるが、本来「漢語」とは漢民族が母語である中国語を自称する際の用語である。“Sino-Xenic”という用語は、アメリカの言語学者、サミュエル・マーティンの造語であり〔Samuel Martin, ''The phonemes of ancient Chinese,'' American Oriental Society, 1953〕、“sin(o)-”(「シナの」「漢の」)、“xen(o)-”(「外来の」「異種な」)、“-ic”(形容詞をつくる接尾辞)がその語源である。Sino-Xenicの概念が適用される言語は、もっぱら日本語、朝鮮語、ベトナム語という3種類の言語である。これらの言語は、中国語が属するシナ語派と親族関係にないにもかかわらず、古来から固有語を席捲するほど多数の語彙を中国語から借用してきたという共通点があり、それぞれに類似・相同した漢字の字音を共有している。 == 3種の漢語系語彙 == 漢語系語彙は、以下の3種類が代表的である。 * 日本語における漢語系語彙(Sino-Japanese, SJ) - ''漢語を参照。'' * 朝鮮語における漢語系語彙(Sino-Korean, SK) - ''漢字語 (朝鮮語)を参照。'' * ベトナム語における漢語系語彙(Sino-Vietnamese, SV) - ''を参照。'' これら言語における漢字の字音は、古い中国語の特徴をしばしば化石的に残存させており、歴史的な古代音を再構する中国音韻学において重要な手がかりとなることもある。 例えば、「急」という漢字は、中古音で「急()」であり、現代北京語の「急(、)」よりも、日本語の「急(漢音:キフ)」、朝鮮語の「急(、ハングル:)」、ベトナム語の「急(、クオック・グー:)」などの方がむしろ中古音の発音をよく残していることがわかる。 また、日本語において「熟語」と称される複数の漢字から構成される表現は、漢籍と呼ばれる古い中国語(漢文)の文章に出典のあるものが多い。例えば、「学習」(日本語:ガクシフ、朝鮮語:()、ベトナム語:())という語は、論語の「学而時習之」がその出典とされている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「漢語系語彙」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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