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炉心溶融(ろしんようゆう)、あるいはメルトダウンとは、原子炉中の燃料集合体が(炉心を構成する制御棒やステンレススチール製の支持構造物等をも含めて)核燃料の過熱により融解すること。または燃料被覆管の破損などによる炉心損傷で生じた燃料の破片が過熱により融解すること〔原子力防災基礎用語集:さくいん - 原子力安全技術センター など〕。燃料溶融。 炉心溶融は原子力事故における重大なプロセスの一つであり、さらに事態が悪化すると核燃料が原子炉施設外にまで漏出して極めて深刻な放射能汚染となる可能性がある。それに至らないまでも、溶融した炉心を冷却する際に発生する放射性物質に汚染された大量の蒸気を大気中に放出(ベント)せざるをえないことが多く、周辺住民の避難が必要となるなど重大な放射能汚染を引き起こす可能性がある。 臨界状態の核燃料が炉心溶融を起こす場合もあるが、臨界中に生成された核分裂生成物が臨界停止後も大量の崩壊熱を発生するため、未臨界状態の核燃料であっても炉心溶融を起こしうる。 なお原子炉における「炉心」とは燃料集合体や制御棒など原子炉の中核部分であって、それを囲む原子炉圧力容器内にある円筒状構造物であるシュラウドのようなものを指さない。 == 概要 == 原子力発電では、低濃縮ウランなどの核燃料を臨界状態にすることで、核分裂で発生する熱によって発電する。 通常時は核分裂の連鎖反応で安定的かつ持続的に発電するが、定期点検や緊急の際には核分裂反応を中断させ原子炉を停止する必要がある。しかしながら一度運転を開始した燃料には核分裂により発生した核分裂生成物が多量に含まれており、これらが核分裂停止後も放射性崩壊によりしばらく崩壊熱を出し続ける。したがって、しばらくの間は炉心を冷却し続けなければならない。 ところが何らかの要因により炉心の冷却が行われないと、運転状態直後の核燃料の持つ高いレベルの余熱〔ATOMICA 軽水炉燃料の炉内挙動(通常時) 「原子炉運転中の被覆管温度は約550Kから700Kである。」〕〔ATOMICA 燃料棒内温度分布(典型例) 〕量に加えて、それに加算的に追加される崩壊熱によって原子炉圧力が上昇し、そのもたらす結果として燃料自体を溶かしてしまう現象が起きる。これが炉心溶融である。 なお炉心以外であっても、たとえば使用済み核燃料プールに保管されている核燃料も崩壊熱を発している。これらも炉心同様に冷却されなければ過熱して燃料の溶融を起こしうる〔4号機、燃料溶融寸前だった…偶然水流入し回避 『読売新聞』2011年4月28日〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「炉心溶融」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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