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無農薬農法 : ウィキペディア日本語版
無農薬栽培[むのうやくさいばい]
無農薬栽培(むのうやくさいばい)は農薬を使わずに野菜などの植物栽培する方法。無農薬農法ともいう。
== 概要 ==
日本で米作りが始まったのは縄文時代後期と言われており、これに対して農薬や化学肥料が積極的に利用されたのは1950年代後半以降である〔原直行、高度経済成長期以前の稲作技術の展開と民間稲作農法 香川大学経済論叢, 2002, 75巻1号, p141-182〕。それ以前の農業はすべて大量の小作労働者と有機肥料を投入した多労多肥体系の化学農薬を殆ど使用しない栽培〔穐本洋哉、日本農業システムの史的展開 東洋大学経済研究会 経済論集28巻 (2003) 2号 p.31-45, 〕であった。明治期以降は一部の水田でウンカ防除目的で鯨油が使用されていた〔大田博樹、日本の農薬産業技術史—農薬のルーツを探訪する— 日本農薬学会誌 Vol.38 (2013) No.2 p.161-166〕。しかし、天候不良や病害虫の発生などで年によって収量と品質変動が大きく、不作年には死活問題となっていた。
高度経済成長期以降は、農業においてはエンジン動力付き農機具、化学農薬、化学肥料を使用することで安定した収穫と除草などの手間の削減が期待できることから、急速に普及した。しかし同時に、使用する者や収穫物を食する人体、周辺の環境に対して有害であることが広く知られる事となり〔パラチオン系有機燐剤の毒性について(農薬ホリドール等) 岡山県畜産協会 復刻版 岡山畜産便り昭和28年9月号〕、過度の農薬の使用や危険な農薬を使用した食品の流通などが批判され社会問題化した〔保田茂、農薬多用技術批判の一視点 神戸大学農業経済 1973-03, No.9〕〔保田茂、主産地形成と農薬問題 神戸大学農業経済 1975-12, No.11〕。1980年代後半から残留農薬という言葉が注目され〔藤田忠雄、農薬と農産物 生活衛生 Vol.32 (1988) No.3 P100-109〕無農薬栽培方法の技術開発が進んだ〔柴田洋一、西崎邦夫、大谷隆二、無農薬除草のための基礎的研究 (第1報) 画像処理手法による作物と雑草の識別 農業機械学会誌 Vol.56 (1994) No.6 P95-102〕〔〔松山善之助、臭化メチル燻蒸に代るクリ (実) 温湯消毒機の開発 味技術研究会誌 Vol.2006 (2006) No.7-8 P26-31〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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