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無限インパルス応答 : ウィキペディア日本語版
無限インパルス応答[むげんいんぱるすおうとう]
無限インパルス応答(むげんインパルスおうとう、)は、信号処理システムの属性の一種。この属性を持つシステムをIIRシステムと呼び、フィルタ回路の場合はIIRフィルタと呼ぶ。これらシステムは、無限長の時間においてゼロでない値を返すインパルス応答関数を持つ。対照的に、有限の時間についてのインパルス応答があるものを有限インパルス応答 (FIR) と呼ぶ。最も単純なアナログIIRフィルタとしてRCフィルタがあり、1つの抵抗器 (R) と1つのコンデンサ (C) で形成される。このフィルタは、RC時定数で決定される指数関数的インパルス応答の特性を持つ。
IIRフィルタはアナログフィルタだけでなく、デジタルフィルタとしても実装される。デジタルIIRフィルタでは、出力フィードバックは出力を定義する方程式から即座に求められる。FIRフィルタとは異なり、IIRフィルタ設計では、フィルタの出力が明確に定義されない「時刻ゼロ」の場合を注意深く扱う必要がある。
デジタルIIRフィルタの設計は、アナログIIRフィルタに基づいてなされてきた。多くの場合、デジタルIIRフィルタを設計するにあたってまずアナログIIRフィルタ(例えば、チェビシェフフィルタバターワースフィルタ楕円フィルタ)を設計し、インパルス不変法双一次変換といった離散化技法を適用してデジタルに変換する。
IIRフィルタは一般に、FIRフィルタに比較して高速で安価だが、バンドパスフィルタとしての性能や安定性が劣る。
IIRフィルタとしては、チェビシェフフィルタバターワースフィルタベッセルフィルタなどがある。
以下では、デジタルシグナルプロセッサで実装できる離散時間IIRフィルタについて解説する。
== 解説 ==
まず、入力信号と出力信号の関係を定義した差分方程式を考える。
:
\begin
y & = b_ x + b_ x + \cdots + b_ x \\
& - a_ y - a_ y - \cdots - a_ y
\end

ここで
*\ P はフィードフォワードフィルタのオーダー
*\ b_ はフィードフォワードフィルタの係数
*\ Q はフィードバックフィルタのオーダー
*\ a_ はフィードバックフィルタの係数
*\ x は入力信号
*\ y は出力信号
である。
この差分方程式を要約すると次のようになる。
:\ y = \sum_^P b_x - \sum_^Q a_ y
これを \ a_0 = 1 として並べ替えると、次のようになる。
:\ \sum_^Q a_ y = \sum_^P b_x
フィルタの伝達関数を見つけるため、上記方程式の両辺のZ変換を行う。このとき、Z変換のシフト性を利用する。
:\ \sum_^Q a_ z^ Y(z) = \sum_^P b_ z^ X(z)
ここで、伝達関数は次のように定義される。
:
\begin
H(z) & = \frac \\
& = \frac
\end


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「無限インパルス応答」の詳細全文を読む



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