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熊澤重文 : ウィキペディア日本語版
熊沢重文[くまざわ しげふみ]

熊沢 重文(くまざわ しげふみ、1968年1月25日 - )は、日本中央競馬会 (JRA) 栗東所属の騎手。JRAおよびマスコミ各社における表記ルールにより「熊沢」になっているが正しくは「熊澤重文」である〔NARデータベース 〕。
平地・障害どちらもトップジョッキーと言われるレベルにある。
== 来歴 ==
1968年愛知県刈谷市にて出生、またこれより10年ほど前に南井騎手の家族も京都から移り住んでおり、これが熊沢が騎手となる契機の一つとなっている。この刈谷では祭事に馬が使われることはめずらしくなく、熊沢も馬に少なからず興味を示しこれも騎手となる素地であったと語っている。
熊沢が中学野球で活動していたころ父が入院、その同じ病室に南井の父親がいたことから話は進展。息子同士が出会うこととなり、同時期に担任の教師より「(同じ愛知出身の)調教師に話を通してもいい」と後押しされたこともあり熊沢は騎手になることを志すようになる。
1986年騎手免許を取得し栗東・内藤繁春厩舎所属騎手としてデビュー、同期騎手として横山典弘松永幹夫などがいる。3年目の1988年に代打騎乗〔もともと岡潤一郎が騎乗していたが、GI競走に騎乗するための勝利数(31勝)に達していなかったため〕となるコスモドリーム優駿牝馬を制しGI初勝利を記録、満20歳3か月という最年少GI勝利(当時)のほか、史上3人目の減量騎手のオークス制覇〔1938年保田隆芳、1943年前田長吉に次ぐ3人目〕という記録も達成している。
1991年にはダイユウサク有馬記念をレコード勝ちし二度目のGI勝利を記録、人気馬メジロマックイーンを破った実力派騎手としてこのレース以降、熊沢の名は関東でも認知されるようになりファンからの声援のほか、調教師からも声がかかるようになった〔騎手物語〕が、この2つのGI勝利を熊沢は「悪く言えばどちらも遊びに行ったという感じ〔東京競馬場中山競馬場ともに両GIレースの施行日が初騎乗。中山競馬場に至っては当日、道に迷ってしまったほど土地勘がなかった。〕。」「人気薄(コスモドリーム/10番人気・ダイユウサク/13番人気)で気楽に乗れた〔騎手という稼業〕。」と振り返っている。
ほかにも1996年スプリンターズステークスではわずか1センチメートルの差で涙を飲んだ快速馬エイシンワシントン、のちにパートナー交替となるが、ステイゴールドの主戦騎手でもあった。
2005年12月4日テイエムプリキュアに騎乗し阪神ジュベナイルフィリーズに勝利。ダイユウサク以来14年ぶりのGI制覇となった。
2009年8月8日の小倉競馬4Rでベネラに騎乗し1着となり、中央競馬史上29人目、現役12人目となるJRA通算900勝を達成した。
また「最も取りたいレースは日本ダービー中山大障害」と公言〔別冊宝島騎手名鑑'98〕しているように、障害競走にも積極的に騎乗している。平地競走でGI勝利を経験している騎手は障害競走には初めから乗らないか、それまで乗っていてもGI勝利を機に辞めるケースがほとんど(障害競走は落馬の危険性が平地よりも高く、怪我をしやすい。技術面でも違うものを要求される)であり、今も騎乗し続けている熊沢は極めて稀有な例である。勝利数も多く、1999年2000年2002年2004年JRA賞(最多勝利障害騎手)を獲得し、通算500勝、800勝は障害競走で記録し、2001年にはJRA3人目〔横山富雄田中剛に次ぐ3人目〕となる平地・障害100勝を達成した。そして2012年にはマーベラスカイザーで取りたいレースの1つである中山大障害を制し、平地、障害両方でのGI勝利を達成した。年末のビッグレースである中山大障害有馬記念の両方を制した騎手は、熊沢の他に伊藤竹男加賀武見などがいるが数少ない記録である。1999年に障害競走でのグレード制が導入されて以降では、平地GI・障害GI(J・GI)の両方を制したのは熊沢が初のことである〔後に柴田大知が平地・障害両GI制覇を達成。障害競走でのグレード制導入前で、中山大障害と、平地GI(1984年のグレード制導入以降)の両方を制した騎手に根本康広小島貞博がいる。根本は中山大障害(春)(現:中山グランドジャンプ1979年)と日本ダービー(1987年)を制覇、小島は1981年の中山大障害春秋連覇と日本ダービー(1992年1994年)を制覇しており、熊沢が目標としている日本ダービーと中山大障害の両方を制している。〕。熊沢のように、平地のGI騎乗経験のある騎手がコンスタントに障害競走にも騎乗している騎手は少なく、熊沢の他には高田潤ドリームパスポート等)や柴田大知マイネルホウオウ等)程度しかいない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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