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熊谷家伝記[くまがいかでんき くまがいけでんき] 『熊谷家伝記』(くまがいかでんき・くまがいけでんき)は、天竜川上流の信濃(長野)・三河(愛知)・遠江(静岡)の三国(三県)境地域の、中世(南北朝時代)の山村落形成から近世中期(1771年)に至る、山村落のほぼ編年的な記録。現在の長野県下伊那郡天龍村の坂部を開郷したとされる熊谷貞直の子孫の十二代目、熊谷直遐(なおはる、なおよし)が、代々熊谷家当主が記録してきた記録を編纂。中世山村史研究の重要史料とされるだけでなく、柳田國男が評価する(柳田國男「東国古道記」1949)など、民俗学界でも著名。
== 書誌 == 原本に、佐藤家蔵本と宮下家蔵本がある。佐藤家蔵本は、熊谷家の15代徳五郎が、幕末に村民との争いが原因で公事に破れ、熊谷家の没落原因を作り、家出し、三河国河内村(現愛知県北設楽郡豊根村)の遠縁の佐藤家に寄寓し、さらに佐藤家から去る際に、佐藤家に譲り渡したもの、宮下家蔵本は、やはり徳五郎が、代々熊谷家と密接な関係を有していた信濃国和合村(現長野県下伊那郡天龍村)の宮下家に渡したものとされている(市村咸人『熊谷家伝記』第4冊3頁)。原本の表題は『家伝記』が一般的。佐藤家蔵本は、山崎一司等により愛知県旧富山村で復刻された。宮下本は信州大学教育学部附属中学校教諭らにより、抜粋・翻訳され、「信濃古典読み物叢書」の1冊となっている。市村咸人は、両原本を校訂して復刻している。なお熊谷家自体は復興し、現在も天龍村に末裔が存在する。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「熊谷家伝記」の詳細全文を読む
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