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熊野年代記[くまのねんだいき] 熊野年代記(くまのねんだいき)は、熊野新宮の本願所であった新宮庵主霊光庵により編纂された編年体の歴史書。古代から明治時代前半までの熊野三山の歴史を伝え、熊野の歴史研究において重要な史料と評価されている。 == 解題 ==
=== 成立 === 熊野年代記は、「熊野年代記古写」「歳代記第壱」「年代記第弐」(以下、それぞれ「古写」「第壱」「第弐」と略記)の3篇の総称である〔根井110 、熊野三山協議会・みくまの総合資料館研究委員会〕。3篇はいずれも、新宮庵主家に所縁の家系に属する人物により近世に作成されたと見られている〔根井111-116 〕。これら3篇にさかのぼる原本に相当するものがあったと考えられているが発見されておらず、原本の成立事情は明らかではない〔根井111 、笠原339 〕。 熊野年代記を編纂したと考えられている新宮庵主の確立は、近江国の飯道寺から庵主を迎えるようになる16世紀半ばと考えられている〔太田〕。この時期には、天文11年(1542年)に飯道寺水元坊祐盛が新宮に鳥居を建立した〔笠原339 〕と古写にあるのを早い時期の例とし、永禄9年(1566年)の飯道寺梅本院大先達行鎮の入寺以降、17世紀初頭まで梅本院から庵主が迎えられるようになる〔太田171 〕。梅本院出身の庵主のもとで、新宮庵主は修験寺院として発展していった〔。しかしながら、近世以降の熊野三山では本願と社家との相論が繰り返されており、そうした中にあって、本願の立場と主張を正当化し、古くからの来歴と由緒を権威付けるために、古記録を集成し、他の史料をも利用して書き上げたのが熊野年代記の原本であったと考えられている〔笠原340 〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「熊野年代記」の詳細全文を読む
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