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熱核爆弾 : ウィキペディア日本語版
水素爆弾[すいそばくだん]

水素爆弾(すいそばくだん、)または熱核兵器(ねつかくへいき、)とは、重水素熱核反応を利用した核兵器を言う。水爆(すいばく)とも呼ばれる。
== 概要 ==
原爆は強力な兵器であるが、核分裂反応の連鎖反応の進行時間と温度上昇による飛散(爆発)までの時間との競争の問題などから、ウラン235(235U)やプルトニウム239(239Pu)をどんなに増やしても、最大でも広島・長崎級原爆〔TNT火薬で換算して約20キロトン(kt)相当爆発エネルギーを発生させる原子爆弾を、広島・長崎級原爆と呼ぶ。また特に、軍事関連では標準原爆とも呼ばれる。長崎(1998) p.37〕の10倍程度の爆発エネルギーをもつ原爆しか作ることができない〔武谷著作集3 p.276〕。それに対して、熱核反応(核融合反応)はそれを起こす物質を追加すればいくらでもエネルギーを増加させることができるという特徴を持つ。そのため、特に二重水素三重水素の熱核反応(D-T反応、D-D反応)を利用することで、広島・長崎級原爆の数十倍〜数百倍の爆発エネルギーを持たせた核兵器が開発できると見込まれていた。
実際、原爆開発技術を独占していた米国において、原爆保有国となったソ連に対抗するため、トルーマン大統領によって製造命令が下されたのが、原爆を起爆装置として重水素を熱核反応させる水素爆弾 (hydrogen bomb) である。初期の核融合装置は液体の重水素を用いており、装置が巨大で実用化には至らなかったが、重水素化リチウム(LiH)を用いることにより、実用化に至った〔二重水素化リチウムは常温で固体であることから、液体重水素を用いる湿式水爆に対比して乾式水爆とも呼ばれていた。〕。原子爆弾起爆装置として用い、核分裂反応で発生する放射線と超高温、超高圧を利用して、水素の同位体の重水素三重水素(トリチウム)の核融合反応を誘発し莫大なエネルギーを放出させる〔そのため必ずウラン235またはプルトニウム239の臨界量以上の重量がある。〕。高温による核融合反応(熱核反応)を起こすことから「熱核爆弾」や「熱核兵器」とも呼ばれ、核出力は原爆をはるかに上回る。なお、中性子爆弾3F爆弾も水爆の一形態である。
第二次世界大戦後から現在に至る原爆開発競争に参加した国の中でも、水素爆弾を兵器として実用化したのは国際連合常任理事国であるアメリカ合衆国と旧ソビエト連邦(ソ連、現ロシア)、イギリスフランス中華人民共和国のみであるが、2016年になって朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が開発に成功したと主張している〔北、「水爆実験を実施」と発表…朝鮮中央テレビ 読売新聞2016年01月06日 13時55分
〕。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「水素爆弾」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Thermonuclear weapon 」があります。



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