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燃える氷 : ウィキペディア日本語版
メタンハイドレート


メタンハイドレート()とは、低温かつ高圧の条件下でメタン分子分子に囲まれた、状の結晶構造をもつ包接水和物固体である。およその比重0.9 g/cmであり、堆積物に固着して海底に大量に埋蔵されている〔。
〕。メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギー源であるとされる(天然ガスも参照。)が、メタンハイドレートについては現時点では商業化されていない。化石燃料の一種であるため、再生可能エネルギーには含まれない。
== 性状 ==
見た目は氷に似ている。1 mのメタンハイドレートを1気圧の状態で解凍すると164 mのメタンガスと水に変わる〔日本海東縁,上越海盆の高メタンフラックス域におけるメタンハイドレートの成長と崩壊 地学雑誌 Vol.118 (2009) No.1 P43-71〕。解凍する前のメタンはメタンハイドレートの体積の20%に過ぎず、他の80%は水である。分子式は CH·5.75HO と表され、密度は0.91 g/cmである。火をつけると燃えるために「燃える氷」と言われることもある。
水分子で構成される立体網状構造の間隙中にガス分子が位置して安定な固体結晶となっている氷状の物質は包接水和物、ガスハイドレート、あるいは、クラスレートと呼ばれる構造になっている。
ガスハイドレートには、ガスが失われると残された立体網状構造である「包接格子」だけでは格子構造を維持できないもの(ガスハイドレート、クラスレート)と、包接格子だけでも格子構造を維持出来るものがある。メタンハイドレートは「包接化合物」とも呼ばれるクラスレートであり、骨格となる水分子間の5-6 Å(オングストローム、1 Å = 100 pm)程度の隙間に入り込んだガスが出て行くと格子は壊れる。メタンで飽和したメタンハイドレート(structure I hydrate)は、2つの十二面体と6つの十四面体構造をなす46の水分子からなるユニットが8分子のメタンを包接している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「メタンハイドレート」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Methane clathrate 」があります。



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