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仏説父母恩重難報経[ぶっせつ ぶも おんじゅう なんほう きょう] 仏説父母恩重難報経(ぶっせつ ぶも おんじゅう なんほう きょう 佛說父母恩重難報經、一般に『父母恩重経』または『父母恩重難報経』ともいう)とは、ひたすらに父母の恩に報いるべきという、儒教的な人倫の教えを説く偽経である。 == 流布 == この経の初見は、経録の「武周録」(『大周刊定衆経目録』)である。また、智昇は丁蘭や郭巨らの孝子の故事を引用した本があったことを記録している(「開元録」)。一方、円仁の「請来目録」によれば、西明寺の体清という僧に『父母恩重経疏』の著書があったことが知られる。敦煌文献中にも数種のテキストが見られ、講経文や讃文もある。日本には奈良時代請来とされるものが、正倉院の聖語蔵中の経典として収蔵されており、古くから日本にも伝わっていたことが知られる。 『大正新修大蔵経』には、巻16の「経集部3」に後漢安息国の安世高訳『佛説父母恩難報經』が収録されているが、現在流通している『父母恩重経』と比較すると、それは極めて短いテキストである。この安世高訳の初出は道宣の『大唐内典録』である。また、鳩摩羅什訳『佛説父母恩重難報經』とされるテキストもあり、こちらは、流通しているテキストとほぼ同じであるが、安世高訳本と同様、後世の仮託と考えられる。このように、本経が記録上に現われるのは、全て唐代の事であり、現在のところ、六朝代の記録には見ることが出来ない。 しかし、中国では宋代の大足石刻中に、父母恩重経の変相図を表現した造像が残っている。また、日本でも江戸時代に父母恩重経の内容を分かりやすく解説した対俗教化のための書物が盛んに出版されており、日中にかかわらず広く受容され、仏教の一般への教化啓蒙の一翼を担っていたことが知られる。その後、近代の文献学の発展とともに、その成立史的な面からも儒教色を濃厚に帯びた内容的な面からも、中国撰述の偽経であると認められるようになった。
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Sutra of Filial Piety 」があります。
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