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『片耳うさぎ』(かたみみうさぎ)は、大崎梢による日本の推理小説。 単行本は、2007年8月25日に光文社より書き下ろしで刊行された。文庫版は、2009年11月10日に光文社より刊行された。装画は単行本・文庫版ともに大庭賢哉が手がけている。 ライターの松井ゆかりは「序盤は気楽な謎解きかと思われた物語だが、話が進むにつれて、悲しい過去の事件が浮かび上がってくる。それでも真相が明らかになった後、それぞれの登場人物が前向きに生きていこうとしている姿勢は清々しい。著者の筆力が冴えている」と評価している〔今月の新刊採点【単行本班】2007年10月 松井ゆかりの書評 〕。書評家の大矢博子は「古い日本家屋、数十年も前に起きた残虐な事件、謎の老婆などといった、横溝正史風の設定を無理なく現代に成立させ、しかもそれを著者の持ち味である温かさや明るさで包んでいる」と評価している〔Webマガジン幻冬舎: 『キミは知らない』(大崎梢著)書評:大矢博子 〕。 == あらすじ == === 一日目 火曜日 === 蔵波奈都は1か月前に、東京近郊の住宅地から、関東北部の仲上村(なかがみむら)にある、奈都の祖父が住む家〈蔵波屋敷〉に家族とともに引っ越してきた。蔵波屋敷は、元庄屋の家で、100年以上前に建てられたものだといい、隠し部屋や隠し階段があるという。奈都は、蔵波屋敷のことが怖く、1人で夜を過ごさなければならなくなることに怯えていた。そんな中、一色さゆりが蔵波屋敷の中を見てみたいと言い出す。奈都1人で寝泊まりするのは、心もとないということもあり、さゆりも蔵波屋敷に泊まることになる。奈都とさゆりは、雪子が恰幅のいい中年の男と痩せた若い男を客として迎えているのを目撃する。 奈都は、この屋敷が怖い、馴染めないと思っているが、さゆりは、古い屋敷が好きで、すきがあれば屋敷を探検しようとする。食事室の床の間にある掛け軸に描かれている3人の僧侶が、奈都にはときどき踊っているように見えて不気味に感じていた。さゆりは、雪子の部屋にこっそり入ってみようと言い出し、奈都とさゆりは雪子の部屋で、晶から八重子宛の手紙を発見する。 その日の夜、奈都はいったんは眠りにつくが、真夜中にさゆりに身体を揺さぶられて目を覚ます。トイレに行きたいというさゆりに、奈都もついていくことにする。トイレを済ませると、さゆりは、夜のほうが誰かに見られることなく探検できるといい、隠し階段を探し始め、トイレの近くにある納戸で階段箪笥を見つける。階段箪笥を上がり、屋根裏に入ったさゆりと奈都は、真っ暗闇の中に何者かがいるのを感じ、〈控えの間〉と呼ばれる自分たちの部屋に慌てて戻る。しかし、奈都は自分のカーディガンを屋根裏に落としてきたことに気づく。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「片耳うさぎ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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