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牧神の午後への前奏曲[ぼくしんのごごへのぜんそうきょく]
『「牧神の午後」への前奏曲』 (ぼくしんのごごへのぜんそうきょく、仏:''Prélude à "L'après-midi d'un faune"'')ホ長調 は、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーが1892年から1894年にかけて作曲した管弦楽作品であり、彼の出世作である。演奏時間は約10分。 == 概要 ==
この曲はドビュッシーが敬慕していた詩人 マラルメ の『牧神の午後』(『半獣神の午後』)に感銘を受けて書かれた作品である。" 夏の昼下がり、好色な牧神が昼寝のまどろみの中で官能的な夢想に耽る"という内容で、牧神の象徴である「パンの笛」をイメージする楽器としてフルートが重要な役割を担っている。牧神を示す主題はフルートソロの嬰ハ(Cis,C#)音から開始されるが、これは楽器の構造上非常に響きが悪いとされる音であり、なおかつ音域は華やかでない中音域である〔「【新音楽鑑賞法】名曲に何を聞くか〜音楽理解のための分析的アプローチ〜」田村和紀夫著、音楽の友社、2004年 ISBN 4276101433〕。しかし、ドビュッシーはこの欠点を逆手にとり、けだるい、ぼんやりとした独特な曲想を作り出すことに成功している。フランスの作曲家・指揮者ブーレーズは「『牧神』のフルートあるいは『雲』のイングリッシュホルン以後、音楽は今までとは違ったやり方で息づく 〔P.ブーレーズ、船山隆・笠羽映子訳『ブーレーズ音楽論 - 徒弟の覚書』晶文社、1982年、40ページ〕」と述べており、近代の作品で非常に重要な位置を占めるとされる。曲の終盤ではアンティークシンバルが効果的に使用されている。 この後、ドビュッシーは、歌曲集『ビリティスの3つの歌』(1898年)、無伴奏フルートのための『シランクス』(1913年)、ピアノ連弾曲『6つの古代碑銘』(1914年)などの作品で牧神をテーマにしている。また、ラヴェルのバレエ音楽『ダフニスとクロエ』(1912年初演)にも牧神(パンの神)が登場する。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「牧神の午後への前奏曲」の詳細全文を読む
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