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特別養子縁組 : ウィキペディア日本語版
特別養子縁組[とくべつようしえんぐみ]

特別養子縁組(とくべつようしえんぐみ)とは、児童福祉のための養子縁組の制度で、様々な事情で育てられない子供が家庭で養育を受けられるようにすることを目的に設けられた。民法の第四編第三章第二節第五款、第817条の2から第817条の11に規定されている。
普通養子縁組の場合、戸籍上、養子は実親と養親の2組の親を持つことになるが、特別養子縁組は養親養子の親子関係を重視するため、養子は戸籍上養親の子となり実親との親子関係がなくなる点で普通養子縁組と異なる。特別養子縁組の条件として子供が養子縁組できるのは、子どもの年齢が6歳になるまでと制限されている(ただし6才未満から事実上養育していたと認められた場合は8才未満まで可能)。
なお、里親制度と養子縁組が混合されがちであるが、里親委託は里親が(実親の生活が安定するまでなどの)一時的に子どもを養育する制度であり、里親と子どもの戸籍上の繋がりは発生しない点が養子縁組とは異なっている。 
==沿革==

=== 菊田医師事件(赤ちゃんあっせん事件) ===
菊田医師事件とは、1973年に産婦人科医菊田昇による乳児の出生書の偽装が発覚した事件で、特別養子縁組成立の発端になったとされている〔“こちら特報部”東京新聞(2013年7月12日)〕。
宮城県石巻市の産婦人科医であった菊田昇医師は、人工中絶によって乳児の生命を絶つことに疑問を抱いていたことから、中絶を希望する妊婦に対し、出産して乳児を養子に出すように説得していた。同時に、子宝に恵まれないために養子の引き取りを希望する夫婦を地元紙で募集し、乳児を無報酬で養子縁組をしていた。その数は100人以上に及ぶと言われている。だが、当時の日本は養子縁組に関する法律規定が無く、養親が実子のように養子を養育できるように、また実母が出産した経歴が戸籍に残らないようにとの配慮から、乳児の出生証明書を偽造していたことが発覚。しかし、この事件を契機に、法律に違反しながらも100名以上の乳児の命を守ったことへの賛同の声が巻き起こり、実子として養子を育てたいと考える養親や、社会的養護の下に置かれる子どもが社会的に認知され、要望に応える法的制度が必要だという機運が高まった〔養子あっせん、特別養子縁組って何? 、読売新聞、暮らしの知恵(2013年8月28日)2013年9月19日閲覧〕。 

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「特別養子縁組」の詳細全文を読む



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