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特異値分解(とくいちぶんかい、)とは、線形代数学における、複素数あるいは実数を成分とする行列に対する行列分解の一手法である。信号処理や統計学の分野で用いられる。特異値分解は、行列に対するスペクトル定理の一般化とも考えられ、正方行列に限らず任意の形の行列を分解できる。 == 特異値分解定理 == ''M'' を階数 ''r'' の ''m'' 行 ''n'' 列の行列とする。ただし、行列の要素は実数体 または複素数体 ''K'' = R, C から取られているものとする。このとき、 という ''M'' の分解が存在する。 ここで ''U'' は ''m'' 行 ''m'' 列のユニタリ行列、''V'' * は ''n'' 行 ''n'' 列のユニタリ行列 ''V'' の随伴行列(複素共役かつ転置行列)。さらに半正定値行列 ''MM'' * (あるいは ''M'' *''M'' )の正固有値の平方根 ''σ''1 ≥ … ≥ ''σ''''r'' > 0 が存在して、 ''q'' = min(''m'', ''n''), ''σ''''r''+1 = … = ''σ''''q'' = 0 とおけば、 ''m'' 行 ''n'' 列の行列 ''Σ'' は以下の形になる。 : この分解を特異値分解、''σ''1, ..., ''σ''''q'' を行列 ''M'' の特異値と呼ぶ。 * 行列 ''V'' の列ベクトルは、''M'' の''入力''の正規直交基底を表す。 * 行列 ''U'' の列ベクトルは、''M'' の''出力''の正規直交基底を表す。 * 特異値は''増幅率''を表し、入力成分がそれぞれ何倍されて出力されるかを表す。 便宜的に ''Σ'' の対角成分は、大きいものから小さいものに並べる。こうすると、''U'' と ''V'' は一意には定まらないが、''Σ'' は一意に定まる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「特異値分解」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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