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猟兵[りょうへい]
猟兵(りょうへい、独:Jäger 英:jaeger 仏:chasseurs 葡:caçadores)は、近代の軍隊における兵科または兵種の名称。Jäger や chasseurs などの語は、いずれももとは猟師、ハンターを意味しており、そこから日本語では猟兵と訳される。 == 概要 == 猟兵は17世紀初め頃にスウェーデン陸軍で創設された“騎馬猟兵中隊”が始まりとされている。この部隊は、日頃から銃の扱いに慣れている森林労働者や、猟場監視人を集めて編制されており、それは後にヨーロッパ各国で創設された猟兵部隊でも同じであった。猟兵は通常の戦列歩兵とは異なる任務(散兵戦や狙撃戦)に使用され、一種のエリート部隊として扱われていた。 19世紀中盤以降、産業革命の成果を得て各種の火器が飛躍的な発達を遂げ、精度・射程距離・殺傷力を高めたエンフィールド銃に代表されるミニエ式ライフル銃が歩兵の標準装備とされたクリミア戦争から南北戦争の時代になると、戦列歩兵の伝統的運用は甚大な損害を蒙るようになった。この変化を受けて、各国軍は戦列歩兵を改組し、非密集型の散兵中心な歩兵運用へ置換した。このため近代歩兵の野戦運用は、猟兵をはじめとする軽歩兵の系譜に連なる存在として現在に至っている。 特に、独立戦争に際して独立派に参加した民兵(その多くは農民や猟師だった)が、猟兵・狙撃兵として大きな役割を果たした米国では、個々の兵士に狙撃技能の研鑽を求める“''One shot One kill''”と呼ばれる伝統が軍内に強く残っており、歩兵銃の命中精度に対する要求値が他の欧州各国軍に比して高いことで知られている。また、一般人である民兵が武装する権利を“自由な国家の安全にとって不可欠”(necessary to the security of a free State)としてアメリカ合衆国憲法修正第2条で保証している。 散兵と戦列歩兵の区別もなくなったことから、猟兵は独立した兵科としての実態を失ったが、猟兵の名は名誉呼称として主に空挺部隊や山岳部隊等の軽歩兵の部隊名などに残る事となった。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「猟兵」の詳細全文を読む
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