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猫オルガン(; )とは一列に並べた猫の尻尾を引き延ばして鍵盤の下に固定する装置であり、その地声の高さによって並びの決まった猫は鍵盤が押されるたびに痛みで叫び声をあげて音色をなす。この猫オルガンが実際につくられたという公式の記録は残っておらず、あくまで文献のなかに現れてきた奇想の一種である。 == 歴史 == この楽器はフランスの著述家ジャン=バティスト・ヴェッケルランが書いた「''Musiciana, extraits d’ouvrages rare ou bizarre''」に登場する。
この装置はアタナシウス・キルヒャーがその著書「普遍音楽論」で紹介したことでも知られている(彼が実際に見たことがあるかは定かではない)。キルヒャーの「情動論」によれば、音楽は体液を介して人の精神や身体に影響を与え、奇跡のような治癒効果さえ持ちうるものだった〔鈴木 pp.714-717.〕。
さらにドイツ人医師のヨハン・クリスティアン・ライル(1759–1813年)も、物事に集中する能力を失った患者の治療を目的とした猫オルガンに言及している。強制的にこの装置を見せられ、聞かされたならば、否応なしに注意を傾けざるをえず、つまり患者は癒やされるであろうとライルは考えたのである(Richards, 1998)。 1869年12月のアメリカの雑誌「フォリオ」では、48匹もの猫を用いた鍵盤楽器「キャット・ハルモニオン」を用いた演奏会がシンシナティで行われたと報じられている。コンサートは「オールド・ラング・サイン」(蛍の光の原曲)で幕を開けるはずだったが、興奮状態に陥った猫たちがてんでばらばらに泣き叫んで伴奏を掻き消してしまい、大失敗に終わったという〔スチュアート・アイサコフ『ピアノの歴史』(河出書房新社)〕。 2010年にチャールズ皇太子がクラレンス・ハウス宮殿でガーデンパーティーを開いた際に、皇太子の持続可能な生活を提言する「スタート」プログラムに賛同した音楽家のヘンリー・ダグが鳴き声の出るおもちゃを使ってこの猫オルガンを再現した。このときは「虹の彼方に」の調べが演奏され、大いに好評を博している 。またテリー・ジョーンズは「モンティ・パイソン」で鼠オルガンを演奏している。 アニメ制作会社「The People's Republic Of Animation」も「猫ピアノ」(The Cat Piano)と題した作品を発表している。猫の街で人間がこの装置をつくるため誘拐事件を起こすというストーリーである。この短篇映画は複数の賞を受賞しており、ノミネートも数多い。アカデミー賞でも短編アニメーション部門のセミノミネート作品となった(ノミネートはされていない)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「猫オルガン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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