|
献体(けんたい)とは、医学および歯学の発展のため、また、力量の高い医師・歯科医師を社会へ送りだすために、死後に自分の肉体(遺体)を解剖学の実習用教材となる事を約し、遺族が故人の意思に沿って医学部・歯学部の解剖学教室などに提供することである。 == 概要 == 人体の解剖には、大きく分けて次のような3種類がある。 人体の構造をしらべるための解剖(正常解剖) 死後、すぐ病変をしらべるための解剖(病理解剖) 変死体の死因をしらべるための解剖(法医解剖または司法・行政解剖) 献体に直接関係があるのは正常解剖であり、医学教育の最初期に履修する「解剖学実習」がこれに該当する。亡くなった直後に病院で行う病理解剖とは違い、正常解剖は、医学・歯学系大学の解剖学教室で行われる。 現在、医学部医学科および歯学部歯学科のカリキュラムには、遺体解剖実習が必ず組み込まれている。文部科学省の指針としては、医学部生2人に対して1体、歯学部生4人に対して1体というものがある。また、最近では看護師、理学療法士、歯科衛生士などのコ・メディカルや社会福祉士、介護福祉士などの福祉職を目指す学生を解剖実習(見学実習)に参加させる大学や専門学校が増えている。中には作業療法士や臨床検査技師の養成課程で、見学ではなく実際に解剖の実習を行う大学も一部にある(北海道大学医学部保健学科など)。この遺体解剖実習への献体を希望する人々の団体として、白菊会、不老会などがある。 登録者数は1970年代半ばまで1万人台にすぎなかったが、2007年には21万人を突破している。 また、今日の日本では、献体を用いての技能向上トレーニングは認められていない。そのため、海外で訓練したり、解剖学的に構造の似通っている豚で訓練している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「献体」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|