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玉里文庫本源氏物語[たまさとぶんこほんげんじものがたり]
玉里文庫本源氏物語(たまさとぶんこほんげんじものがたり)は、源氏物語の写本の一つ。薩摩藩藩主島津家の分家の一つであった玉里島津家の蔵書であった玉里文庫にあった源氏物語の写本であったことからこのように呼ばれる。現在は1951年(昭和26年)に玉里文庫が一括して鹿児島大学に寄贈されたため鹿児島大学図書館玉里文庫の所蔵となっている。同文庫には源氏物語の写本としては鎌倉時代の書写と見られる15帖のみが現存する「玉里文庫本古筆源氏物語」と、室町時代の書写と見られる54帖の揃い本である「玉里文庫本各筆源氏物語」とが存在する〔玉里文庫目録作成委員会編『玉里文庫目録 鹿児島大学附属図書館蔵』鹿児島大学、1966年(昭和41年)10月。 〕。 == 玉里文庫本古筆源氏物語 == 本写本は鎌倉時代の書写とみられる写本であり、現在は15帖のみが現存する。奥書の類は無い。本文系統は各巻ごとに青表紙本、河内本、別本が混在している。今井源衛は、本写本を「近衛家本、保坂本、東山御文庫本、国冬本、青表紙本、尾州家本、伝阿仏尼筆本、吉田幸一氏本、大沢本、平松本〔不明・平瀬本の誤りか。〕、伝為明筆本などと並ぶ重要な写本である。」と述べている〔日本歴史学会編今井源衛著『人物叢書 紫式部』吉川弘文館、1966年(昭和41年)、p. 170。〕〔日本歴史学会編今井源衛著『新装版 人物叢書 紫式部』吉川弘文館、1985年(昭和60年)9月、p. 174 ISBN 4-642-05012-4 〕〔工藤重矩編今井源衛著『今井源衛著作集 第3巻 紫式部の生涯』笠間書院、2003年(平成15年)7月、p. 136。 ISBN 4-305-60082-X 〕。絵合には一枚の落丁が、若菜下には大きな落丁があるものの、破損や虫食いなどは皆無に近く保存状態は全体的に非常によいとされる〔徳満澄雄「鹿児島大学付属図書館蔵玉里文庫本古筆源氏物語について 校合」九州大学国語国文学会『語文研究』通号第23号、1967年(昭和42年)4月、pp. 8。 〕。本書の伝来は不明であるが、玉里文庫本各筆源氏物語と同様に近衛家からもたらされた可能性が指摘されている〔徳満澄雄「鹿児島大学付属図書館蔵玉里文庫本古筆源氏物語について 伝来」九州大学国語国文学会『語文研究』通号第23号、1967年(昭和42年)4月、pp. 7-8。 〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「玉里文庫本源氏物語」の詳細全文を読む
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