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王融 : ウィキペディア日本語版
王融[おうゆう]
王融(おうゆう)は、中国の人物。琅邪王氏の出身。
*後漢の官僚。王仁の子、王叡の弟、王祥王覧の父。
*下記にある本項で述べる。
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王 融(おう ゆう、467年 - 493年)は、中国南北朝時代南斉の政治家・文学者。は元長。瑯邪郡臨沂県(現・山東省臨沂市蘭山区)の人。六朝時代を代表する名門貴族出身。名門の出身に加えて文才にも優れ、南斉の皇族、竟陵王蕭子良の西邸に集った文人「竟陵八友」の1人に数えられ、同じく八友の仲間である沈約謝朓らとともに「永明体」と呼ばれる詩風を生み出した。
== 生涯 ==
王融は六朝時代の名門・琅邪王氏の出身で、6世前の祖先に東晋丞相王導、高祖父に東晋の司徒王珣、曾祖父に司空王弘、祖父に宋の中書令王僧達を持つなど、その中でも目覚ましい家系の生まれであった。父の王道琰は盧陵内史となり、若くして死去したが、母は琅邪王氏と並び称される陳郡謝氏の一族、謝恵宣の娘で、息子の王融に書や学問を教えた。王融は幼い頃から聡明で、博識で文才があった。おじの王倹は王融を評して「この子が40になれば、名声と地位は祖父に並ぶことだろう」と人に語っていたという。
秀才に挙げられ、南斉の晋安王蕭子懋の行参軍・竟陵王蕭子良の法曹行参軍・太子舎人を歴任した。王融は父親の官位が低かったことから、家の再興を図って、武帝に自分を試しに用いるよう上表し、秘書丞に遷った。王倹が儀同三司を授けられると、王融は詩と書を彼に贈った。王倹はその出来映えに感心し、「(こんなに褒められては)穣侯印綬をすぐ解くわけにはいかないようだ」と人に語ったという。その後、丹陽丞・中書郎を歴任した。
491年永明9年)3月3日、武帝が芳林園に行幸して曲水の宴を催し、王融にその序文を書かせたところ、その文章は当時大いに評判となり、北魏にまでも「顔延之の序を上回る名作」という評価が伝わった。493年、北魏の房亮宋弁が使者として南斉にやって来た時、武帝は王融にその接待を命じたが、2人は王融から評判の「曲水詩の序」を見せてもらい、司馬相如の「封禅文」に並ぶ作品と評価した。
王融は自分の家柄と才能と常々たのみにし、30歳になる前に宰相の地位に就くことを望んでいた。蕭子良の法曹となったばかりの頃、王僧祐を訪ねたところ、人が王僧祐に「これはどこの若造だ」と聞いたのを耳にして、「私の名声は太陽の如く天下に輝きわたっていて、知らない人間などいないのに、お前はそんなことを聞くのか」と憤然と答えたという。中書郎となった時には「鄧禹は私のことを笑うだろう」と言っていた。功名を求め、しばしば武帝に上書しては、軍事や政治の重大事について意見を述べた。竟陵王の蕭子良は配下の文人で王融を特に寵愛し、北魏が軍を動かした時には、彼を寧朔将軍・軍主に任じた。
493年7月、武帝が危篤状態に陥った時、たまたま子良は宮殿内にいて、皇太孫の蕭昭業(後の鬱林王)はまだ参上していなかった。王融は中書省の入口で東宮の儀仗を妨げ、詔勅を偽造して子良を皇帝に擁立しようと図った。しかし武帝が意識を取り戻し、また子良には政務を執る意思はなく、このため朝廷の一切は西昌侯蕭鸞(後の明帝)に委ねられることになった。間もなく武帝は死去したが、王融はなおも子良の兵を率いて宮中の門を塞ぎ、蕭鸞の参内を阻もうとした。蕭鸞はこれを排して宮中に入り、皇太孫を殿内に奉じる一方、配下に命じて子良を助け出させた。王融は自らの計画が失敗したことを知り、歎息して「公が私を誤らせたのだ」と言った。昭業はこのことで王融を深く怨み、即位して10日余りで王融を獄に下した。王融が逮捕されると多くの友人や部下たちが獄に面会に行き、行列ができるほどであった。王融は子良に救いを求めたが、子良は恐れて救い出せなかった。詔勅によって王融は自殺を命じられた。享年27。死に臨んで王融は「もし老母のためを思わなかったら、きっと一言(帝が東宮だった頃の過失を)指摘してやったものを」と言ったという。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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