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現実[げんじつ]
現実(げんじつ、)は、いま目の前に事実として現れているもののこと。対語は虚構(フィクション)ないし理想。あるいは現実とは、個々の主体によって体験される出来事を、外部から基本的に制約し規定するもの、もしくはそうした出来事の基底となる一次的な場のことである。現実と区別されるのは、嘘や真実を組み合わせてできたものである。 == 現象と現実 == 個々の主体によって主観的に経験される現象は、幻想や錯誤や虚構の可能性があるため、ある種の普遍性や必然性をもつ現実とはイコールではない。とはいえ、もしこのようなそれ自体は常識的な立場を推し進めれば、ある現象を現実として認めるための根拠として、主観的な経験が役に立たないということになってしまい、一定の困難が生じる(たとえば荘子の「胡蝶の夢」)。また、根を同じくする問題として、「同じ現実を人々が共有している」ことをいかにして保証するかが懐疑主義的な議論においては問題となる(その根拠付けとしてのたとえばカントの超越論的主観性や物自体)。 そこで現象を現実として規定する主観としての理性や悟性、あるいは複数の人々の経験的現象の一致や、経験的現象それ自体の整合性や性質など、いくつかの基準が提案されてきた。とはいえ、この場合「同一の現実を共有している」とはどのような事態を意味するのか、ということにおいても、意見の一致が見られるわけではない。現実が主観的な経験によって定義されないとすれば、自己の経験している主観的な現実や、それについての言語的な報告の一致によっては、現実の共有を定義なり保障なりすることは難しいからである。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「現実」の詳細全文を読む
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