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生態系サービス(せいたいけいサービス、)とは、生物・生態系に由来し、人類の利益になる機能(サービス)のこと〔厳密には生態系サービスは経済学上の財である。供給サービスの産物(食糧・飲料水・木材・バイオマス燃料など)は有形の財、その他の生態系機能はサービスに分類される。〕。「エコロジカルサービス」や「生態系の公益的機能」(せいたいけいのこうえきてききのう)とも呼ぶ。その経済的価値は、算出法により数字が異なるが、アメリカドルで年平均33兆ドル(振れ幅は16-54兆ドル)と見積もる報告もある〔 - 人為的な経済活動による世界総生産は、年間約18兆ドルと見積もられている〕。 == 概要 == 人類は、生態系によって提供される多くの資源とプロセスから利益を得ている。このような利益は、まとめて生態系サービスと呼ばれており、水の浄化や廃棄物の分解といった過程が含まれる。これらの自然の資産を人間が必要とする面において、生態系サービスは、他の生態系に由来する産物や機能と異なっている。生態系サービスは、次の5つの種類に分割することができる 〔 環境白書に記載の分類にしたがって、英語版の記述を整理〕。 * (供給)食品や水といったものの生産・提供 * (調整)気候などの制御・調節 * (文化)レクリエーションなど精神的・文化的利益 * (基盤)栄養循環〔物質循環の一種。生物が必要とする物質が生物圏を循環すること。 ()〕や光合成による酸素の供給 * (保全)多様性を維持し、不慮の出来事から環境を保全すること 人口が増加するにつれ、環境への負荷(エコロジカル・フットプリント)も増加する。多くの人々は、これらの生態系サービスが無償で、壊れることが無く、無限に利用できるという誤解に汚染されていた。しかし、人類による酷使の影響は、絶えず明らかになってきている – 空気と水質はより危険になり、海では魚が濫獲され、伝染病は歴史上の限界を超えて広がり、森林伐採は洪水の調節能力を損なっている。氷で覆われていない地表の約40-50%が人類の活動によって変化あるいは劣化しており、漁場の66%は過剰あるいは限界に達するまで酷使されており、大気の二酸化炭素濃度は産業化開始から30%以上増加しており、過去2000年で鳥類のほぼ25%は絶滅した 。 生態系サービスが脅威にさらされ限界状態になっているだけではなく、人類にとっての短期と長期のニーズのどちらを選択するのかについて早急な判断を迫られている…ということを、社会が理解し始めている。意思決定を行なう際に、人為的に運営される代替物で置き換えるコストに基づいて、多くの生態系サービスの経済価値を評価することが増えている。自然に対する経済価値を定めようとしている進行中の挑戦は、環境・社会的責任・ビジネスチャンス・人類の将来を、理解・管理することを通して、生態系サービスに関する研究が学際方向へ向かうことを促している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「生態系サービス」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ecosystem services 」があります。 スポンサード リンク
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