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生物多様性(せいぶつたようせい、)とは、生物に関する多様性を示す概念である。生態系・生物群系または地球全体に、多様な生物が存在していることを指す。生態系の多様性、種多様性、遺伝的多様性(遺伝子の多様性、種内の多様性とも言う)から構成される。 生物多様性の定義には様々なものがあるが、生物の多様性に関する条約では「すべての生物(陸上生態系、海洋その他の水界生態系、これらが複合した生態系その他生息又は生育の場のいかんを問わない。)の間の変異性をいうものとし、種内の性、種間の多様性及び生態系の多様性を含む」〔環境省「生物多様性条約」生物多様性センター「生物多様性条約の本文」 〕と定義されている。 == 用語の履歴 == 「生物多様性 (biodiversity)」は、「生物学的多様性 (biological diversity)〔biological diversityは、1970年代から使われていた。〕」を意味する造語である。 1985年に、アメリカ合衆国研究協議会(National Research Council, NRC) による生物学的多様性フォーラム〔National Forum on Biological Diversity, 1986年開催〕の計画中に、W.G.ローゼンによって造語された。なお「Biodiversity」が初めて公式文書に使われたのは、1988年に出版された昆虫学者・生態学者エドワード・オズボーン・ウィルソンによるこのフォーラムの報告の書名としてである 〔E.O.Wilson (ed.), F.M. Peter (associate ed.), ''Biodiversity'', National Academy Press, 1988. ISBN 0-309-03783-2; ISBN 0-309-03739-5.〕 〔V.H. Heywood, R.T. Watson (executive ed.), ''Global Biodiversity Assessment'', Cambridge University Press, 1995. ISBN 0-521-56481-6. ("Biodiversity", Glossary of terms related to the CBD の情報源。またこのサイトには biological diversity について25種類の定義が列記してある。)〕。 1986年以降、生物多様性という用語とその概念は、生物学者、環境保護活動家、政治指導者、関心をもつ市民らにより、世界中で広く用いられることになった。これは20世紀最後の10年間に見られた絶滅種に対する関心の広まりとよく一致している。 * (訳注) 本文中のNational Research Council(NRC)は全米科学アカデミー(National Academy of Sciences, NAS) の下部機関。同名のカナダ政府組織(NRC)とは別組織。 日本において平成16年度(2004年度)に環境省が行った調査では、生物多様性の意味を知っている人は約10パーセント、言葉を聞いたことがある人まで範囲を広げても約30パーセントという結果であった〔第3次生物多様性国家戦略(2007年) - 本文 『第1部/第4章/第2節 基本戦略/ 1 生物多様性を社会に浸透させる』(58ページ / PDFとしては65ページ目)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「生物多様性」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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