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異化[いか]
異化(いか、 〔提唱者のシクロフスキーは後に(奇妙な)という言葉にすべきだったと述懐している。佐藤千登勢は、ロシア語に(脇によける)という動詞があることを挙げ、異化には「奇妙なものにし、位置をずらす」という意味を読み込んでいる (佐藤 2006年) p.22〕)は、慣れ親しんだ日常的な事物を奇異で非日常的なものとして表現するための手法。知覚の「自動化」を避けるためのものである。ソ連の文学理論家であるヴィクトル・シクロフスキーによって概念化された。 これまでに「異常化」や「脱自動化」などの訳語が考えられてきた〔(佐藤 2006年) p.23〕。 ==概要== 異化とは、日常的言語と詩的言語を区別し、(自動化状態にある)事物を「再認」するのではなく、「直視」することで「生の感覚」をとりもどす芸術の一手法だと要約できる。つまり、しばしば例に引かれるように「石ころを石ころらしくする」ためだ。いわば思考の節約を旨とする、理解のしやすさ、平易さが前提となった日常的言語とは異なり、芸術に求められる詩的言語は、その知覚を困難にし、認識の過程を長引かせることを第一義とする。「''芸術にあっては知覚のプロセスそのものが目的'' 」であるからだ〔松原明訳「手法としての芸術」『フォルマリズム : 詩的言語論』p.25〕。またそれによって「手法」(形式)を前景化させることが可能になる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「異化」の詳細全文を読む
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