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疼痛[とうつう]
疼痛(とうつう)とは痛みを示す医学用語であり、ここではその生理学的な側面を記述する。 == 定義 == 1979年に国際疼痛学会 (International associations for Study of Pain) は、痛み(疼痛)を次のように定義している。 組織の実質的な刺激は、物理的刺激、あるいはセロトニンやブラジキニンなどの疼痛物質による化学的な刺激であり、これを疼痛神経終末端が感知し、電気的なシグナルに変換し温痛覚求心経路である外側脊髄視床路を通過し、大脳の中心後回が痛みとして認識した結果が疼痛となる。痛みを伝える末梢神経にはAδ繊維とC繊維の2つの神経繊維が知られている。例えば腕を叩いた時、始めの痛みはAδ繊維の伝導により、局在が明確な鋭い痛み(一次痛)が伝わる。その後、C繊維の伝導により、局在が不明確なじんじんとした痛み(二次痛)を感じる。これはAδ繊維の方がC繊維より伝導速度が速いためである。この現象から「痛みは二度感じる」と言われることがある。この遅い痛みであるC繊維を軽度かつ持続的刺激を行うと痒みが生じる事が知られており、そのため、生理学的には痛みと痒みは同じ感覚とされたが、痒みは頭頂葉内側部の楔前部による独自のメカニズムで覚えられる〔自然科学研究機構生理学研究所の柿木隆介教授らの実験〕。 一方、定義からも分かるように、組織の実質的な損傷によるものでなくても、大脳が同様の不快な感覚上同体験をしたものであれば疼痛とされ、慢性的な痛みにおいては実質的な痛み以上に重要となる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「疼痛」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Pain 」があります。
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