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盈斎北岱 : ウィキペディア日本語版
葛飾北岱[かつしか ほくたい]
葛飾 北岱(かつしか ほくたい、生没年不詳)とは、江戸時代後期の浮世絵師
== 来歴 ==
葛飾北斎の門人。姓は森川、名は不詳。次男であったという。画姓に葛飾を使用し、盈斎、辰々子、雷斗と号した。江戸川石切橋前に住んでいた。また浅草に住していたともいわれる。作画期は享和1801年-1804年)から天保1830年-1844年)にかけてで、天保年間に二代目雷斗と号するようになったというが、文化(1804年-1818年)末年頃と思われる肉筆画には「辰々子雷斗画」と落款のある作品が見られる。享和3年(1803年)刊行の石川雅望作の『忠臣蔵当振舞』を初めとして読本や狂歌絵本の挿絵、錦絵、肉筆画を手がけており、相当の技量を示している。文化5年(1808年)刊行の柳亭種彦による洒落本『山嵐』一冊の挿絵を描いたことはよく知られている。北岱の肉筆美人画は宗理風から文化期のややいかつい美人図へと、北斎の画風変遷に沿って自らの画風を変えている。また、狂歌師としても活躍し、琵琶連の一員として便々館湖鯉鮒選の『袖玉狂歌集』(文化3年〈1806年〉刊行)などに狂歌を発表している。肉筆画「二人芸妓図」は宗理風美人の影響が大きい二美人図で、一人は三味線を持って立ち櫛を挿し直しており、もう一人は火鉢に手をかざして暖を取って座りこんでいる。後ろ向きに座るこの芸妓は余程寒いとみえ、ベンガラ色の袖なし羽織を着ている。また、彼女たちの指はほっそりとして異様なほど長く、これだけしなやかな指は宗理風美人にも見られず、北岱独自の工夫と見られる。それに対し「立姿美人図」に描かれた女性は北斎期のややいかつい美人図の画風に酷似している。
なお、北斎とその門下が寄せ描きして出来た「七福神図」があるが、これは北斎を筆頭に同門の北山(閲歴不明)が布袋、葛飾北秀が蛭子、魚屋北渓が福禄寿と鶴、葛飾戴斗が大黒天、二代目葛飾北斎が弁財天、北岱は寿老人、師の北斎は松に宝棒の見立てによって毘沙門天を描いた合作であった。本図は墨色や印の色が同一であるため、この7名が一緒に作画したとみられ、各々の絵師の動静を検討するうえからも貴重な作品である。
== 作品 ==

* 「立姿美人図」絹本着色 出光美術館所蔵 文化期
* 「二人芸妓図」絹本着色 浮世絵太田記念美術館所蔵
* 「七福神図」絹本墨画淡彩 日本浮世絵博物館所蔵 北斎、北山、北秀、北渓、戴斗、二代目北斎と合作

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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