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数学の線型代数学および関数解析学の分野において、双線型形式 ''B'' を備えるベクトル空間 ''V'' のある部分空間 ''W'' の直交補空間(ちょっこうほくうかん、)とは、''W'' 内のすべてのベクトルと直交するような ''V'' 内のすべてのベクトルからなる集合 ''W''⊥ のことを言う。「perpendicular complement」の略として、perp と非公式的に呼ばれることがある。そのような直交補空間は、''V'' の部分空間である。 == 一般的な双線型形式 == ''V'' を、双線型形式 ''B'' を備える体 ''F'' 上のベクトル空間とする。''B''(''u'',''v'') = 0 が成り立つとき、''u'' は ''v'' に左直交(left-orthogonal)であり、''v'' は ''u'' に右直交(right-orthogonal)であると定義する。''V'' のある部分集合 ''W'' に対して、その左直交補空間(left orthogonal complement)''W''⊥ を、 : で定義する。同様に、右直交補空間(right orthogonal complement)も定義される。''V'' 内のすべての ''u'' と ''v'' に対して、''B''(''u'',''v'') = 0 であれば ''B''(''v'',''u'') = 0 が成り立つような反射的双線型形式に対しては、左直交補空間と右直交補空間は一致する。このようなことは、''B'' が対称双線型形式あるいは歪対称双線型形式であれば、成立する。 この定義は、ある可換環についての自由加群上の双線型形式や、 を伴うある可換環についての任意の自由加群を含むようにされた半双線型形式へと、拡張される〔Adkins & Weintraub (1992) p.359〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「直交補空間」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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