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相対論的エネルギー : ウィキペディア日本語版
静止エネルギー[せいしえねるぎー]

静止エネルギー(せいしエネルギー、)は、アインシュタイン特殊相対性理論によって示された、質量が存在することにより生じるエネルギー。質量 m\, の物体は、光速 c\, を用いて、
: E_0 = mc^2 \,
で表される静止エネルギー E_0\, を持つ。運動エネルギーポテンシャルエネルギーとは異なるもので、質量が存在するだけで生じる。
この式は、質量を持つ物体には膨大なエネルギーが内在していることを示している。そして、実際に質量をエネルギーに変換することは可能である。例えば、電子陽電子を衝突させると、これらの粒子が対消滅し、元の質量に応じたエネルギーが発生する。また、原子核反応でエネルギーが発生する場合には、反応後の質量はわずかに減少するし(質量欠損)、一般の化学反応でも、非常にわずかではあるが質量が変化する。
== 相対論におけるエネルギー ==
特殊相対性理論によれば、運動する物体のエネルギーは次の式で表される。
: E = \sqrt
ここで、E\, はエネルギー、m\, は質量、\boldsymbol運動量c\, は光速である。また、運動量 \boldsymbol と速度 \boldsymbol の関係は次の式で表される。
: \boldsymbol=\frac
これらから、エネルギーと速度の関係は次の様になる。
: E=\frac…(式1)
この式をテーラー展開すると次の様になる。
: E = mc^2 \left\
この式は、速度 \boldsymbol が光速に対して充分小さい ( \left|\boldsymbol \right|^2 \ll c^2) 場合は、次のようになる。
: E = mc^2 + \fracm \left|\boldsymbol \right|^2
mc^2\, は最初に述べた静止エネルギーであるので、結局式は次のようになる。
: E = E_0 + \fracm \left|\boldsymbol \right|^2
つまり、速度が小さい場合は、質量 m\, の物体が速度 \boldsymbol で動いている場合の運動エネルギーが \fracm \left|\boldsymbol \right|^2 になるというニュートン力学と同じ結論になる。
なお、式1を導出するのに、E_0 = mc^\,m\, に相対論的質量
: m_r=\frac
を代入するという説明がなされることがあるが、正しい説明とは言えない。まず、相対論的質量という概念自体にあまり意味がない(相対論的質量を参照)。そして、E_0 = mc^2\, という式は、静止エネルギーと質量の関係を表している式であるから、相対論的質量という質量とは異なるものを代入して、運動している物体のエネルギーが得られるかどうかは定かではない。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「静止エネルギー」の詳細全文を読む



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