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眼窩前頭皮質[がんかぜんとうひしつ]
眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ、)は、ヒトの脳にある連合皮質の領域の一部で、意思決定などの認知処理に関わっているとされている。眼窩前頭皮質という名称は、この領域が前頭葉の中でも、眼窩の上にあることから付けられた。この領域は、視床の背内側部にある、内側の巨大細胞核から投射を受ける領域として定義されている〔Fuster, J.M. ''The Prefrontal Cortex'', (Raven Press, New York, 1997).〕。眼窩前頭皮質は非常に個体差が大きいことが、ヒトおよび、非ヒト霊長類 (non-human primate) の研究において確かめられている。この領域が情動や報酬系において役割を持っていることから、眼窩前頭皮質を大脳辺縁系の一部とする研究者も存在する。 ==ヒトにおける眼窩前頭皮質の役割==
眼窩前頭皮質はヒトの脳の中でも最も理解が進んでいない領域である。しかし、この領域は、感覚情報の統合、強化子 (reinforcer) の感情価 (affective value) の表現、意思決定や期待に関連しているという考えが提唱されている〔Kringelbach, M. L. (2005) "The orbitofrontal cortex: linking reward to hedonic experience." ''Nature Reviews Neuroscience'' 6: 691-702.〕。特に、ヒトの眼窩前頭皮質は報酬と罰に対する感受性に関連した行動計画を制御していると考えられている〔Bechara, A.; Damasio, A. R.; Damasio H. & Anderson, S.W. (1994) "Insensitivity to future consequences following damage to human prefrontal cortex". ''Cognition'' 50: 7-15.〕。このことはヒトや非ヒト霊長類、げっ歯類の研究から支持されている。この領域に関するヒトを対象とした研究は、健常者に対する脳機能イメージング研究と、眼窩前頭皮質の一部に損傷を負った患者の神経心理学的研究に集中している。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「眼窩前頭皮質」の詳細全文を読む
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