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矢倉早囲い[やくらさかこい]
矢倉早囲いは将棋の戦法の1つ。相矢倉の一分野で、玉を囲うのに必要な手数を省略して手得を狙う作戦。 ==概要== 通常矢倉囲いにするには、(先手番の場合)8八の角を7九〜6八へと2手かけて移動して玉の入城ルートを開け、玉を6九〜7九〜8八と動かす。そこで、玉の移動ルートを6八〜7八〜8八とすれば、7九の地点を介さないので、角の移動は▲7九角の一手で済む。後手番でも用いることができ、田中寅彦が実際に用いた〔『将棋世界2011年7月号』p.186を参照。〕。 角の移動を一手省略し手得で(角の位置が7九か6八かの差があるため、純粋なものではないがそれに近い)作戦勝ちを狙う。しかし、玉が二段目を移動することでデメリットがある。▲7七銀と銀を移動する手を急がなければならないこと(中央が薄くなる)、▲7八金と締まる手を後回しにしなければならないこと、玉が二段目を通るので相手の攻めによる当たりが強いことなどである。総じて囲いきるまでは玉が不安定になりやすく、それを突いて急戦矢倉、特に米長流急戦矢倉にされた場合に陣形をまとめるのが容易でない。昭和50年代後半に隆盛したが〔『将棋世界2011年7月号p.186を参照。〕、急戦策を警戒して衰退した〔『佐藤康光の矢倉』p.9を参照。〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「矢倉早囲い」の詳細全文を読む
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