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矢吹 萬壽(やぶき かずとし、1923年 - 2011年12月13日)は、日本の農学者。大阪府立大学名誉教授、元学長。専門は、農業気象学、生物環境調節工学、環境学。 矢吹万寿、矢吹萬寿、矢吹万壽 とも表記される。NHKプロデューサーの矢吹寿秀は次男。 ==経歴== *1945年(昭和20年)4月に九州帝国大学農学部農業工学科に入学し、鈴木清太郎教授の物理・統計学講座(農業気象学講座に改称)に入門。卒業後、農林省農事試験場気象部を経て、1955年(昭和30年)に大阪府立大学助教授に就任した。 *1954年(昭和29年)から1959年(昭和34年)にわたり、六甲山系での気象観測や水槽での模擬実験により「六甲颪(六甲おろし)」を研究。大きな気象被害の原因ながら、まだ明らかになっていなかった山越え気流が発生するメカニズムや気象条件を理論的に解明した。 *また気象学者として、干拓事業が始まる前の有明海の気象観測(長崎諫早干拓事業の気温調査研究委託事業調査)を行い、干拓を行った場合に陸地部分の気温が低下するとの予測を報告したが、この報告は長い期間にわたって諫早湾干拓事業に反対する地元農家の理論的支柱のひとつとなった。 *1960年(昭和35年)に英国に留学。留学先のローザムステッド農業試験場(w:Rothamsted Experimental Station)で、作物蒸発散量推定式のw:Penman-Monteith式で知られるw:John Monteithと出会い、多大な影響を受けた。そして帰国後は、植物の光合成に関する理論的な研究に比重を移すこととなった。 *東南アジア(タイ・マレーシア)の熱帯雨林を舞台に、森林の光合成量を測定する大規模な実験を繰り返し、植物群落の炭素固定量の算定法である「群落CO2 フラックス測定法」を発表した。 *風洞実験の技術を、植物の葉の表面を流れる空気の流れを可視化する方法に応用し、風などの環境的な要因によって植物の光合成がどのような影響を受けるかを研究し、葉面境界層の理論を確立した。 *一方、環境学の立場から公害対策に早くから取り組み、大阪府公害防止条例(1971年)をはじめ、大阪府下の市町村の公害関連条例の制定に尽力。その後も大阪府公害対策審議会会長、堺市公害対策審議会会長などを歴任した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「矢吹萬壽」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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