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石灰窯[いしばいがま]
石灰窯(いしばいがま、lime kiln)は、石灰石(炭酸カルシウム)の焼成によって生石灰を生産する窯である。この化学反応の化学反応式は次の通り。 :CaCO3 + 熱 → CaO + CO2 この反応は900℃(この温度でCO2の分圧が1気圧になる)で発生するが、一般に約1000℃(この温度でのCO2の分圧は3.8気圧〔CRC ''Handbook of Chemistry and Physics'', 54th Ed, p F-76〕)まで加熱することで反応を速くして行うことが多い〔Parkes, G.D. and Mellor, J.W. (1939). ''Mellor's Modern Inorganic Chemistry'' London: Longmans, Green and Co.〕。それより温度を上げると完全に燃焼した不活性な石灰が生成されるため、避ける必要がある。 == 生石灰の初期の用途 == 生石灰は石灰石を熱することで容易に得られるため、かなり早くから知られており、古代文明ではそれを建築用モルタルとして壁や床に使っていた〔P. C. Hewlett (Ed), (1998). ''Lea's Chemistry of Cement and Concrete: 4th Ed'', Arnold, ISBN 0-340-56589-6, Chapter 1〕。農業における価値(土壌改良)も古くから知られていたが、農業での利用が広まったのは13世紀後半石炭が安価に生産できるようになってからで〔Colin Platt, (1978). ''Medieval England'', BCA, ISBN 0-7100-8815-9, pp 116-7〕、1523年に土壌改良に生石灰を使うという記述が見られる〔Sir Anthony Fitzherbert, ''Boke of Husbandrye'', 1523〕。石灰窯についての最古の文献の説明は、20世紀初頭に使われていた小規模な工場とほとんど違いがない。石灰石や石炭などの鉱物は工業化以前の時代には陸上運送が難しく、主に海路で運ばれたため、生石灰の製造は主に港の付近で行われた。実際イギリスで現存する古い石灰窯の多くは、海岸の港周辺に見られる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「石灰窯」の詳細全文を読む
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