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硫酸アトロピン : ウィキペディア日本語版
アトロピン

アトロピン (Atropine) は、ヒヨスチアミンHyoscyamine)のラセミ体であり、化学式 C17H23NO3分子量 289.37 のアルカロイド。主にナス科の植物に含まれる。CAS登録番号は 51-55-8。トロパン骨格を有し、オルニチンより生合成される。
抗コリン作用を有する薬物である。具体的には、ムスカリンアセチルコリン受容体競合的に阻害することにより、副交感神経の作用を抑制し、胃腸管の運動抑制、心拍数の増大などの作用がある。また、有機リン剤中毒等の治療にも用いられ、地下鉄サリン事件での治療にも用いられた。米軍では神経ガスに曝露してしまった時にアトロピンを打つ事が規定されており、「各BC兵器のタイプ別の症状をイラスト化した」簡易マニュアルが配布されている。
医薬品としては硫酸アトロピンとして用いられる。硫酸アトロピンは無色の結晶または白色の結晶性の粉末で、においはない。酢酸エタノールに極めて溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。融点:(分解)。
==適応==

*注射液
 *胃・十二指腸潰瘍における分泌ならびに運動亢進
 *の痙攣性疼痛,胆管・尿管の疝痛、痙攣性便秘
 *迷走神経性徐脈及び迷走神経房室ブロック、その他の徐脈・房室ブロック
 *麻酔前投薬、ECTの前投与
 *有機リン(殺虫剤農薬サリン)などの副交感神経興奮剤中毒
 *重症筋無力症の治療におけるコリン作動性クリーゼ
*点眼液
 *診断又は治療を目的とする散瞳と調節麻痺

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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