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碧南市パチンコ店長夫婦殺害事件(へきなんし パチンコてんちょうふうふ さつがいじけん)とは、1998年(平成10年)6月28日から6月29日にかけて愛知県碧南市で発生した強盗殺人事件。主犯の男A(本籍岐阜県土岐市〔『中日新聞』2015年12月16日朝刊1面 「夫婦強殺 A被告に死刑 妻殺害 共謀を認定 碧南の事件 裁判員判決」〕、住所不定無職)は後に事件発生から14年後の2012年(平成24年)8月、闇サイト殺人事件で無期懲役の刑が確定した直後(約1か月後)にこの事件の主犯として逮捕、起訴された。碧南夫婦強殺事件(へきなんふうふごうさつじけん)、碧南事件(へきなんじけん)〔『中日新聞』2015年12月5日 朝刊「A被告に死刑求刑 碧南強殺、検察『計画の首謀者』」〕と略すこともある。 なお、Aと共犯の一人の男B(本籍群馬県、無職)は2006年(平成18年)7月20日に名古屋市守山区脇田町で高齢女性の首を絞めて重傷を負わせ、現金約2万5000円と金庫などを奪った強盗殺人未遂事件(名古屋市守山区高齢女性強盗殺人未遂事件、なごやしもりやまく こうれいじょせい ごうとうさつじんみすいじけん)にも関与した〔Aの第一審の判決要旨(『中日新聞』2015年12月16日朝刊「碧南強殺 名古屋地裁判決〈要旨〉」)に基づく。〕として、2013年1月16日に強盗殺人未遂容疑で再逮捕、起訴されている。この項目ではこの事件についても触れる。 == 概要 == === 事件発生から発覚まで === Aの弁護人が第一審法廷で読み上げた報告書によれば、Aは1975年(昭和50年)4月生まれ。5人きょうだいの末っ子で〔『中日新聞』2012年8月23日朝刊社会面31面「98年碧南夫婦強殺 07年闇サイト殺人 借金かさみ凶行か A容疑者 周辺『無口で穏やか』 法廷で“したたか”謝罪」〕、両親は幼少期(小学生時代〔)に離婚〔『中日新聞』2015年12月16日朝刊29面 「裁判員 苦悩の審理 闇サイト事件『切り替え』腐心 碧南強殺 判決」〕。中学2年で不登校となり、兄に連れられて外壁工事の手伝いをした〔。兄らが営む建築業を中学時代から手伝い始め、高校を入学直後に中退した後に独立した〔〔。18歳で結婚して2児をもうけ〔、独立して外壁工事業を営むようになった〔が数年後(事件を起こした1998年)に離婚、第一審の被告人質問では「離婚が人生で一番の後悔。夫や父としての責任から解放され、自分勝手な生活になり、一連の事件を起こしてしまった」と語った〔。 自動車ローンや消費者金融からの借金を返済するため、パチンコ店から多額の現金を盗もうと考えたAは、仕事仲間であったBと建築作業員の男C(鹿児島県枕崎市)を犯行に引き入れ、男性(当時45歳)が店長を務めるパチンコ店に目を付け、自宅で男性を待ち伏せて店の鍵を奪い、現金を奪う計画を立てた〔。近隣住民の目撃証言によれば、Aらが男性宅を訪れた28日午前もしくは前日の27日午前、不審な男3人が男性宅の周辺を歩いていたという〔<碧南夫婦強殺>釣り人装い下見か 男3人組を目撃 毎日新聞 8月6日(月)15時0分配信〕。男たちが釣り竿などを持っていたと話す人もおり、釣り人を装って下見していた可能性がある(男性宅の前には幅5m前後の用水路があり、南数十mには高浜川が流れているが、住民らによると、いずれも釣りをする人はほとんどいないという)〔。 A、B、Cの3人は1998年6月28日午後4時半頃〔、愛知県碧南市油渕町在住の同県尾張旭市のパチンコ店店長(パチンコ店運営会社営業部長)の男性宅を強盗目的で〔訪れ、翌29日の午前1時頃までに〔男性とその妻(当時36歳)を用意したビニールひもで首を絞めるなどして殺害し(これについてAを除く一人は「覚えていない」と供述している)〔『中日新聞』2012年8月4日朝刊「闇サイト殺人 A受刑者ら 14年前に夫婦殺害 容疑で逮捕」〕、現金約6万円や男性の鍵束1本、小型金庫1個、純金製〔のブレスレット1本などを〔奪って逃走した〔〔『中日新聞』2013年1月16日夕刊社会面15面「闇サイト A容疑者再逮捕 06年、守山の強殺未遂 愛知県警」〕。捜査関係者によると、3人はまず妻の首をビニールひもで絞めて殺害し、その後、仕事を終えて帰宅した男性を絞殺したとされる〔『東京新聞』2012年8月7日夕刊「愛知夫婦殺害 DNA枝豆から検出」〕。 なお、第一審判決要旨によれば、3人はCの車で夫婦宅に向かい、夫婦宅付近に車を止めた〔。28日午後4時30分頃、無施錠の玄関から侵入〔。軍手などをはめていたが、顔を隠すことはしていなかった〔。Aはその後、車を移動させるなどと言って夫婦宅を出た〔。玄関から侵入後二人の息子と在宅していた妻の口を手でふさぎ、静かにするように脅し、反抗を抑圧した〔。同日午後8時過ぎ頃から午後11時23分頃、BとCが妻の首にビニールひもを巻き付けて強く絞めるなどして窒息死させた上、現金を奪った(これはAが前述のように家を出ている間に起きたできごとである)〔。Aは家に戻り、妻の死亡を知った〔。Aは間もなくB、C両名に対し、居宅内を物色するように言い、手分けして金目の物を探した〔。Bが妻の財布を見つけ、中にあった6万円を3人で等分した〔。翌29日午後1時頃、帰宅した男性に、Aが単独で、またはBもしくはCとともに、首にビニールひもを巻き付けて窒息死させ、鍵束、金庫、ブレスレットを奪った〔(逮捕直後、Bは「男性に抵抗されたため、自分とCが体を押さえつけ、Aがロープで首を絞めた」と供述している〔『中日新聞』2012年8月7日朝刊社会面31面「碧南事件・B容疑者『A容疑者が夫絞殺』『指示受け妻殺害』供述『C容疑者 体押さえた』」〕)。 なお、事件当時8歳の小学生であった長男は男3人を目撃しており、男性宅で妻が出した食事を食べており、深夜になって男性が帰宅。その後、妻が横になり、男が男性に馬乗りになっていたという〔『中日新聞』2012年8月4日朝刊1面 「闇サイト」A受刑者逮捕 碧南の夫婦強殺容疑 愛知県警、ほか2人も〕〔『中日新聞』2012年8月4日朝刊社会面36面「碧南の強殺容疑 A受刑者ら 科学捜査で前進」〕。なお、捜査関係者によると、2階で寝ていた長男が1回に向かう際、男らが風呂場付近から出てきた〔『中日新聞』2012年8月6日朝刊社会面31面「碧南夫婦強殺 風呂場で夫待ち伏せか 容疑者ら、妻を殺害後」〕。その後、Aとみられる男が男性に馬乗りになり、頭を壁に打ち付けるなどの暴行を加えていた〔。長男は別の男に「大丈夫。寝てていいよ」と言われ、再び2階に上がったという〔。 男性は、パチンコ店で通常通り午前0時ごろまで勤務〔。普段パチンコ店の寮に寝泊まりしていたが、定休日である月曜日の前日であるため自宅に戻っていた〔。捜査本部によると、3人はいずれも事件当時、パチンコ店に近い名古屋市内に住んでおり(中日新聞の報道によれば、後述する守山区の事件当時Aは守山区、Bは名東区にそれぞれ居住〔)、同じ建築関係の職場に勤めていた〔。夫婦から奪った現金は山分けしたという〔。 夫婦の遺体は夫婦宅から4km離れた同県高浜市湯山町の県営住宅内にある袋小路の路上の道路脇〔『中日新聞』1998年7月5日朝刊社会面35面「トランクに夫婦?遺体 碧南の行方不明 死後数日経過か」〕〔で7月4日に放置されていた自動車のトランク内から発見された〔『朝日新聞』2015年10月28日朝刊社会面34面「怒り・悲しみ、抱き続けた17年 碧南夫婦殺害、当時6歳の次男【名古屋】」〕。県営住宅の住民によれば、車は6月29日夜には放置されており、動かした様子はなかったという〔。愛知県警察捜査一課と碧南警察署は殺人と死体遺棄の容疑で特別捜査本部を設置した〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「碧南市パチンコ店長夫婦殺害事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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