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神無月(かんなづき、かみなしづき)は、日本における旧暦10月の異称である。今日では新暦10月の異称としても用いられる。 == 語源 == 「神無月」の語源は不詳である。有力な説として、神無月の「無・な」が「の」にあたる連体助詞「な」で「神の月」というものがあり、日本国語大辞典もこの説を採っている(後述)。 出雲大社に全国の神が集まって一年の事を話し合うため、出雲以外には神がいなくなるとという説は、中世以降の後付けで、出雲大社の御師が全国に広めた語源俗解である〔神々が出雲大社に集まるためというのは、「奥儀抄」などに見える俗説(旺文社古語辞典、第8版、p.332、1994年)。 〕〔神無月の字をあてるようになったのも、平安時代に入ってからだと考えられる。・・・カミナツキの意味については、新米を収穫して酒を造る月だから醸成月(かみなしづき)の意だとか、神嘗祭(かんなめのまつり)の行われる神嘗月から出ているとか諸説があるが、まだ決定できない(日常語語源辞典、p.80、東京堂出版、1992年) 〕。高島俊男は、「「かみな月」の意味がわからなくなり、神さまがいないんだろうとこんな字をあてたのである。「大言海」は醸成月(かみなしづき)つまり新酒をつくる月の意だろうと言っている。これも憶測にすぎないが、神さまのいない月よりはマシだろう。」と評している〔高島俊男、お言葉ですが・・・(7)漢字語源の筋ちがい、p.88、文藝春秋、2006年6月10日、第1刷、ISBN 4-16-759808-6〕。なお、月名についての語源俗解の例としては、師走(12月)が有名である。 御師の活動がなかった沖縄県においても、旧暦10月にはどの土地でも行事や祭りを行わないため、神のいない月として「飽果十月」と呼ばれる。 日本国語大辞典は、語義の冒頭に、「「な」は「の」の意で、「神の月」すなわち、神祭りの月の意か。」とし、語源説として次の11説を列挙している〔日本国語大辞典、第5巻、p.136、1976年5月1日発行、第1版第2刷、小学館〕。 # 諸神が出雲に集合し、他の地では神が不在になる月であるから〔奥義抄、名語記、日本釈名〕 # 諸社に祭りのない月であるからか〔徒然草、白石先生紳書〕 # 陰神崩御の月であるから〔世諺問答、類聚名物考〕 # カミナヅキ(雷無月)の意〔語意考、類聚名物考、年山紀聞〕 # カミナヅキ(上無月)の義〔和爾雅、類聚名物考、滑稽雑談、北窓瑣談、古今要覧稿〕 # カミナヅキ(神甞月)の義〔南留別志、黄昏随筆、和訓栞、日本古語大辞典=松岡静雄〕 # 新穀で酒を醸すことから、カミナヅキ(醸成月)の義〔嚶々筆語、大言海〕 # カリネヅキ(刈稲月)の義〔兎園小説外集〕 # カはキハ(黄葉)の反。ミナは皆の意。黄葉皆月の義〔名語記〕 # ナにはナ(無)の意はない。神ノ月の意〔万葉集類林、東雅〕 # 一年を二つに分ける考え方があり、ミナヅキ(六月)に対していま一度のミナヅキ、すなわち年末に誓いミナヅキ、カミ(上)のミナヅキという意からカミナヅキと称された〔霜及び霜月=折口信夫〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「神無月」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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