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私的言語 : ウィキペディア日本語版
私的言語論[してきげんごろん]
私的言語論(してきげんごろん、private language argument)はルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの後期の著作、特に『哲学探究』で紹介された哲学的主張。〔Wittgenstein introduced the notion in §243, and argues for its impossibility in §244-§271. Key passages occur in §256-§271.〕私的言語論は20世紀後半に哲学的議論の中心となり、その後も関心を惹いている。私的言語論では、ただ一人の人だけが理解できる言語は意味をなさないと示すことになっている。
『哲学探究』では、ヴィトゲンシュタインは彼の主張を簡潔・直接的な形では提出しなかった。ただ、彼は特殊な言語の使用について記述し、読者がそういった言語の使用の意味を熟考するように仕向けている。結果として、この主張の特徴とその意味について大きな論争が生じることになる。実際に、私的言語「論」について話すことが一般的になってきた。
哲学史家は様々な史料、特にゴットロープ・フレーゲジョン・ロックの著作に私的言語論の先駆けを見出している〔A detailed account can be found in: Dejnozka, Jan ''Origins of the Private Language Argument'' Diálogos 66, 59-78, 1995〕。ロックもこの主張に目標を定められた観点の提唱者である。というのは彼は『人間悟性論』において、言葉の指示する物はそれの意味する「表象」であると述べているからである。
==趣旨==
私的言語論は自然言語に関する議論に対して中心的に重要である。言語に関する人を動かさずにはいられないような理論は私的言語論を、言語が各々の人の心の中で表象、概念、表現にたいする言葉の地図を作ることにする。この説明の上では、ある人の頭の中にある概念は別の人の頭の中にある概念と区別される。しかし、人は多くの人があてがっているのと同じ概念をそれぞれの言葉にあてがって、その言葉を話すことができる。それぞれの人が同様に言葉に概念をあてがう。そのため私たちの概念は実際には私的言語を形成するといっても、多くの人が話している言語に翻訳して共有することができる。この説明は、例えば『人間悟性論』に見出すことができるし、さらに近年では、ジェリー・フォーダー思考の言語論にも含まれている。
ヴィトゲンシュタインの私的言語論では、こういった説明はつじつまが合わないことを示そうとする。私的言語という考えがつじつまが合わないならば、全ての言語は本質的に公共的だということになる。つまり、言語は本質において社会的な現象だということになる。このことは哲学的研究の他の領域に強い示唆を与えた。例えば、もし人が私的言語を持てないのであれば、クオリアのような個人的な感覚について話すことは意味をなさないだろう。また、「概念」が個人的な心理的状態を意味するような場合に、概念に言及するような言葉について話すことも意味をなさないだろう。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Private language argument 」があります。



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