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種北小島 : ウィキペディア日本語版
種島[たねしま]
種島(たねしま、たねじま)は、北海道礼文郡礼文町に属する礼文島の北に位置する海驢島から、さらに約3キロメートル北の沖に存在する岩礁群である。
== 概要 ==
「国土地理院地図」によると最高地点の標高は約3メートルであり、また海上保安庁の「環境脆弱性指標図」では「解放性海域波食性台状地」に分類されている〔環境脆弱性指標図 宗谷総合振興局70(礼文町スコトン岬) 第一管区海上保安本部〕。水路部発行の『日本北州沿岸諸分図』では、1895年明治28年)測量の「礼文島船泊湾」図に"Tane Shima"と記載されており「高八」とある〔海図40号 北州西岸北部諸分図 外邦図デジタルアーカイブ〕。
『日本歴史地名大系』によると、春には南下してきたトドが集まるが、海水温が上昇する6月までには島を離れるという〔『日本歴史地名大系 第1巻 北海道の地名』平凡社、1223-1224頁。ISBN 978-4-582-49001-5〕。2014年の時点ではトドの上陸は稀にしか見られなくなっているものの、近海においては漁業被害を防ぐためトドの駆除が行われているという〔田中康弘『日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』エイ出版社、2014年、146-173頁。ISBN 978-4-7779-3161-3〕。
1953年昭和28年)に船泊村によって編纂された『郷土』によると、「明治の中頃」まではトドが群れを成して棲息していたという。1925年大正14年)まではトドの繁殖も確認されており、日本国内における唯一の繁殖地であった〔Report of an ecological survey of the Steller sea lion in Hokkaido 〕〔鰭脚類(アシカ科) 北海道立総合研究機構 水産研究本部 函館水産試験場〕。
1962年(昭和37年)に海驢島を訪れた串田孫一は種島について、漁師昆布などを採りに行く場所であるが「島というほどのものではなく」「と言った方がいいようなもの」としている〔串田孫一『北海道の旅』平凡社、1997年(初版1962年)、165-205頁。ISBN 978-4-582-76198-6〕。また1997年に海驢島を訪れた本木修次は、種島を「黒い岩礁」と表現している〔本木修次『無人島が呼んでいる ニッポンの秘島めぐり4』ハート出版、1999年、12-21頁。ISBN 978-4-89295-142-8〕。
岩礁群のうち最も北に位置する島は日本排他的経済水域外縁を根拠付ける離島であることから、2012年種北小島と命名された〔排他的経済水域(EEZ)外縁を根拠付ける離島の地図・海図に記載する名称の決定について 首相官邸 政策会議〕。種北小島は礼文町最北端の島であるが宗谷岬よりは南に位置する。なお水路部発行の『日本北州沿岸諸分図』所収「礼文島船泊湾」図では、種北小島の位置に暗礁の記号が付されている〔。
また種島の北方には「沖のソリ」と呼ばれる最高地点の水深約3メートルの暗礁があり〔、水路部発行の『日本北州沿岸諸分図』所収「礼文島船泊湾」図では「沖ノ礁」"Okino Sho"として記載されている〔。なお「ソリ」とは地元の方言で浅瀬を意味する〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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