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穂村弘 : ウィキペディア日本語版
穂村弘[ほむら ひろし]

穂村 弘(ほむら ひろし、1962年5月21日 - )は、日本歌人北海道札幌市生まれ〔『シンジケート』著者プロフィールより 〕。歌誌「かばん」所属。
== 人物 ==
加藤治郎荻原裕幸とともに1990年代の「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。批評家エッセイスト絵本翻訳家としても活動している。
北海道札幌市に長男(ひとりっ子)として生まれる。父親は鉱山技師で、夕張市炭鉱に勤務した後、建設会社に勤務した〔『北海道新聞』2013年2月14日夕刊〕。父親の転勤で、2歳の時に神奈川県相模原市に移る〔『文藝』2009年夏号 「特集・穂村弘」 〕。その後横浜市を経て〔、小学5年から高校卒業まで愛知県名古屋市昭和区で育つ〔。名古屋市立桜台高等学校では天文部にて伊藤史隆と同期。北海道大学在学中に、友人の影響で塚本邦雄の作品を読んだことから、短歌に興味を持ち始める。1983年上智大学文学部英文学科に入学。ベンチプレスに熱中し始める。1985年林あまりらの作品に触発され、作歌を開始〔『北海道新聞』2001年11月2日 「金曜らしんばん - マンスリートーク 歌人・穂村弘氏 第1回」〕。1986年、連作「シンジケート」で第32回角川短歌賞次席。この年の受賞者は俵万智だった。「かばん」誌上にて林あまりに激賞される。
1987年上智大学文学部英文学科を卒業。卒業論文はヘミングウェイシステムエンジニアとして就職し、その後総務課へ移る。荻原裕幸が企画・運営したシンポジウムに参加、同世代の歌人たちと知り合う。1988年、歌誌「かばん」に入会。1990年、第1歌集『シンジケート』を刊行。石田比呂志に「同じ人間の作ったものがわからんはずがないと心を奮いたたせるのだが、力めば力むほどチンプンカンプンで歯が立たぬ」、高橋源一郎に「俵万智が三百万部売れたのなら、この歌集は三億冊売れてもおかしくないのに」と評された。1992年、第2歌集『ドライ ドライ アイス』を刊行。「夏休みの自由研究みたいな感じ」を目指した作品であった。
1994年、初のショートストーリー集『いじわるな天使から聞いた不思議な話』を刊行。1996年、ほむらひろし名義で絵本の翻訳を始める。1998年、加藤治郎・荻原裕幸とニューウェーブ歌人3人で、企画集団SS-PROJECT(エスツー・プロジェクト)を結成。インターネットを積極的に利用するなど、歌壇にとらわれない活動を展開。角川書店『短歌』9月号に発表したエッセイ「<わがまま>について」(『短歌という爆弾』2001年に収録)が評判を呼ぶ。この頃からテレビ番組や朗読イベントに出演するようになる。
1999年10月、「手紙魔まみ」こと雪舟えまから初めての手紙が届き、交流が始まる。2001年、高校教科書に短歌が収録される。高橋源一郎日本文学盛衰史』に石川啄木作という設定で作品を提供。大学の特別講義を初めて行う。7月、第3歌集『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』を刊行。「まみ」と「穂村弘」の対話の構成で、作品における一人称は「まみ」にあり、現代における愛の形を少女の側から描こうとした。2002年日本経済新聞「プロムナード」欄掲載作を中心とした初のエッセイ集『世界音痴』を刊行。
2008年5月、評論集『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞評論部門を受賞〔『北海道新聞』2008年5月9日 「伊藤整文学賞 - 評論部門に北大出身・穂村氏、小説部門に荻野氏」〕。受賞理由について、選考委員の菅野昭正は「1980年代以降の現代短歌の形式と内容の変化をとらえ、分かりやすく分析した」と述べた〔。同年9月、『楽しい一日』で第43回短歌研究賞を受賞。石井陽子とコラボレーションしたメディアアート作品『火よ、さわれるの』でアルス・エレクトロニカインタラクティブ部門栄誉賞を受賞。日経歌壇選者に就任。2015年NHK全国学校音楽コンクール(高等学校の部)課題曲『メイプルシロップ』の作詞を担当。
短歌は、時代や社会を定点観測するものであるとともに、歴史や形式、さらに言えば日本とは何かを考えさせるものであるとしている〔。また、詩歌は「若さの狂気ともいうべき、あの特殊なテンション」が武器になりうるとも述べている〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「穂村弘」の詳細全文を読む



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